無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

ホワイトアウト

ホワイトアウト [DVD]

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 はっきり言ってしまうと、別に僕は映画マニアというわけではない。見るのは好きだけども、そんなにたくさん見てるとも思わない。だから日本映画がどうとか欧米のがどうとか、そんな話はよくわからない。わからないくせに知った風なこと書いてたりするんだけど。ははは。
 で、『ホワイトアウト』なんですが、これもだから「日本映画にしては…」という言いかたはしたくないし、できないんですよね。でもやっぱりこれだけ騒がれると、そういう見方をしてしまう自分がいて嫌だった。比べてもしょうがないんだけど、たとえばハリウッドの娯楽大作なんかとはもちろんアクションの迫力も何もやっぱり違うと思うのですよ。ただこの映画は、ダムを舞台にしてて、うまくその自然の舞台装置を利用して見せ場を作ったなあ、という感じですね。お金がなくてもここまでできる、という日本風の娯楽大作の可能性を見せてくれたんじゃないかなと。このレベルの映画が毎年1本でもできたら面白いかもしれないけど、無理なのかな。
 でも思ったんだけど、余裕がないんだよね。演技にも演出にも。ユーモアがない。これはね、結構痛い。見ててつらい部分だと思った。織田裕二にそれを求めるのは酷なのかもしれないけど、テロリストのリーダーと話をするときにちょっと気の利いたやり取りとかあってもよかったんじゃないだろうか。全体にまとまった映画だと思うんだけど、クソまじめすぎると言うか、息苦しくなってきちゃう感じが少しあったかなあ。そこは残念でしたね。全然関係ないけど、ホワイトアウトっていうUKのバンドがいたのを思い出した。どこいったんだろう。