無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

ルパン三世Y

ルパン三世Y (1) (Action comics)

ルパン三世Y (1) (Action comics)

 ルパン三世というと、僕の場合リアルタイムで親しんだのはアニメ版「新ルパン三世」が最初である。partIIIは置いといて、初代の方がいいという人も多いようだが、現在も1年に1回ペースで作られているTVスペシャルルパンも、基本的には新ルパンで確立されたキャラクターに沿っているような気がする。で、アニメのルパンは好きだけど、モンキーパンチ氏の原作はちょっと…という人は少なくないんじゃないだろうかとも思う。あの絵柄は最初とっつきにくいから。で、そんなアニメ側のルパンファンもど真ん中で楽しませてくれるのが現在漫画アクションで連載中のこの「ルパン三世」である。
 最も親しまれているアニメ版ルパンの世界を余すところなく紙面に落としこんだこの作品は、そのスピード感、ストーリー、数々のハイテクアイテム等まさしく読者が待っていたジャストなルパンワールドを展開している。基本的に各キャラクターの役割、性格付けは決まっているのだからして、現代的にアジャストして皆が知っているルパンから逸脱せずに行けば間違いないのはわかっている。それを安直だというならば確かにそうなのだが、きっちり割り切った上で見事にエンターテイメントしているのだからこれはもう楽しむしかない。見やすい絵とテンポのいいストーリーは好感が持てるし、エピソードごとにきっちり悪役が悪役として描かれているのもいい。中にはシリーズで何度も出てくると思われる敵キャラもいたりして、今後の展開にも期待がふくらむ。
 読んでいると故山田康夫氏の声が浮かんでくるようで、それでこそルパンでしょう?って感じ。