無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

カル

カル [DVD]

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 作品内で消費される血糊の量と複雑に絡み合うミステリーで話題の映画、らしいのですが。謎がねえ。謎がさあ。これ、前情報なしでいきなり見て、分かる人いるのかなあ?いや、ストーリーは追いかけられるとは思うけど、細かいところ、「え?なんでそうなってるの?」とか「は?今の行動、どうゆうこと?」とか、そんなのがいっぱい出てきちゃうんじゃないかなあ。一応、僕は事前にパンフで簡単にストーリーを追ってはいたんだけど、それでもつらい部分があった。ラスト、クライマックスにしてもその場でぱっと整理はできなくて、あとでゆっくり考えてああそうなのかな、という感じ。それにしても人によって解釈が違ったりもするだろう。非常に見るものにやさしくない映画だ。勿論それがこの映画の最大の魅力ではあるのだけど、無理矢理謎っぽく隠してない?っていう部分もあって、もうちょっと整理してくれても良かったと思う、正直言って。僕は隠し事ができない性格なので。映画のパワーと作り手の気合は確かに相当なものがあって、日本映画、大丈夫か?という感じもしましたね。そしてなによりヒロインのシム・ウナが10年前の鈴木京香みたいで清楚で儚げで、来ましたかなり。
 しかし、バラバラ連続殺人事件という猟奇性と、そのゲロゲロドロドロな死体描写というハードな映画でありながら映画館にはカップルが多かったなあ。あの人達大丈夫だったかなあ。余計なお世話だけど。この映画見た帰りに焼肉屋でメシ、なんてのもそれはそれですごいという気がしました。終り(なんだよそりゃあ)。