無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

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 最近、日本映画で面白いと思うのはこういうタイプのが多い。どういうのかっつうと、まあ要するにコメディっぽいとでも言うのかな、そういうの。『MONDAY』もそうだったし。映画としていかに唸らせてくれるかと同時に、いかに笑わせてくれるか。ということ、かな。そういう意味ではこの映画は素晴らしい。笑わせていただきました。アクションではなくて、設定のナンセンスさと人物の会話で笑いを誘うのだけど、その会話のテンポとか意味のなさがアフタータランティーノって感じで好きだ。コント(ネタ)にならず、不自然じゃなく、どうでもいいことをそれっぽく喋る。映画の中でそういう会話を成立させるのって、実は結構難しいんじゃないかと思う。タランティーノの『レザボア・ドッグス』って映画でも僕の一番好きなシーンは冒頭の、マドンナのライク・ア・ヴァージンが売女の歌でどうのこうのとギャングどもが話してるところだったりする。この映画は、そういうのと同じところを上手くくすぐってくれる。
 ストーリー自体は大したことないんだけどね。ワンアイディアだけでここまでやってしまえば天晴というしかない。面白い。永瀬正敏浅野忠信の競演ってことで言えば某五条などより全然面白かった。ちょっと気味悪げなノゾキオタクを好演した浅野もいいが、ベストアクトにはやはりキャプテンバナナ=原田芳雄を推したい。彼は素晴らしい。CMでも今話題の監督だけど、『鮫肌男と桃尻女』は未見なのだった。これは見るべきなんだろう。うん。