ロックと失恋。
- 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
- 発売日: 2005/06/08
- メディア: DVD
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主人公ロブは中古レコード屋の店主。同棲していた恋人に逃げられ、強がって見せるも、何とかヨリを戻したい。「過去の失恋ベスト5」の相手を探し、自分は何がいけなかったのかを問いただす。そして別れた恋人にはストーカー一歩手前の行為。もう、かなり情けない。情けないが、誰でもひとつくらいは身に覚えがあるのじゃないだろうか。そしてそんなやりきれない思いを音楽で癒そうとすることも。
この主人公は失恋だけでなく、人生においてもこの先どうすればいいのか迷っている。どっちにしろ、今の僕にはいちいち刺さるシチュエーションである。ヤバイくらい感情移入してしまう。違うのは映画の中ではロブがモテることくらいだ(笑)。過去の失恋、そして目の前にある現実と向き合うことで、彼は音楽に逃げていたガキから一人の男へと成長する。そういう意味では、30前後の人間に向けての青春映画といえるかもしれない。ラストのライブシーンも、かなりグッとくる。音楽と恋愛。どっちを選べと言われてもどっちも選べない。そんな人なら間違いなくストライクゾーンだと思う。ただ、誰もがロブのように上手く行くわけでもないけどね…。相変わらず先も見えずに悶々と音楽を聞き続けるしかないやつもいるだろう。しかし、そんな男にも何がしかの勇気を与えてくれる映画であることは確かだ。
ロブの店に並ぶ数々のレコードジャケット、ツボを押さえたBGM、かなりマニアックなバンド名が飛び交う会話。ディープなロックマニアならそれだけで楽しめるだろう。けど、一度ではその全てをとてもじゃないが把握できない。DVDでじっくり確かめるべき。