無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

犬がいい味。

 ちなみに、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』は未見です。そんなやつが何を語っていいものかという気もするけど、ご容赦を。
 いやあ、面白いやこれ。なんたってメインキャストだけで軽く10人はいる。そして誰が主役というわけでもない。ブツ切れで同時進行する悪党どものストーリーが複雑に絡み合いながらラストで一気につながっていく様は、かなり気持ちいいカタルシスを感じさせてくれる。で、どうしても、そういう映画がちょっと前にもあったよなあ、ってことを思わずにいられない。そう、『パルプ・フィクション』だ。音楽の使い方といい、作品全体に漂うダサさとカッコ良さスレスレの雰囲気といい、タランティーノの影響は随所に感じる。ただ、テンポが圧倒的に早い。どちらがいい悪いと比較するつもりはないけど、タランティーノがソウル、R&B、ファンクだとしたらこの『スナッチ』はロックであり、テクノなのである。ちょっと画面から目を離したらあっという間に次の場面に移ってしまう。鬼のようなカット割。サンプリング感覚のクライムムービーとも言えるのかな。
 ブラッド・ピットは『12モンキーズ』以来のキレ役。個人的にはこういう演技の彼の方が好きだ。こういう映画の場合、全体に台詞がかなり汚い英語だし、早口で言葉数が多いので字幕が正確に訳せてないことが多い。英語が分かればもっと笑えるんだろうな、と思う。悔しいね。まあ、分かったところで日常生活には応用できないだろうけど(笑)。
 お約束ですが、サントラも必聴(なにげにマドンナが入ってるところが笑える)。