続・羊たちの沈黙
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2003/01/21
- メディア: DVD
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前作ではガラス越しであったり、レクターが拘束されていたり、クラリスとレクターの間には何がしかの障壁があって、それが二人の関係を非常に緊張感あるものにしていたと思うのだが、今回はレクターは自由の身である。好きな女に電話をすることも会いに行くことも思いのまま。そうなるとその自由さが二人の関係、感情にやや緩慢な印象を与えてしまうような気がしていたのだけど、映像とストーリーで上手く緊張感を持続させていたと思う。特に最初にクラリスとレクターが携帯越しに会話をするシーン。これは上手いと思った。ドキッとした。メリーゴーランドからクラリスの髪を触るシーンなど、レクターの恋愛感情、人間臭さがひときわ強調されている。クラリスのピンチに出てきて彼女を救うというヒーロー物的展開、キスシーン、涙、そして問題のラスト。博士の異常な愛情とでも言うべきメロメロなラブストーリーである。これはこれで良かったと思うし、リドリー・スコットの美しい映像もそういった展開にマッチしていたように思う。そしていかにも続きがあると思わせる本当のラストシーン。この映画自体が、原作の呪縛からレクター博士というキャラクターを切り離すための1つの大きなプロジェクトだったようにも思う。この作品によってめでたく「みんなに愛される」悪役、ハンニバル・レクターが誕生したわけだ。
以上、原作は1つも読んでいないけれど、『羊たちの沈黙』は何十回と見た人間の感想でした。あ、あと、クレジットされてないけどゲイリー・オールドマン、やっぱりこんな役ね(笑)。