無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

タイとオカマとバレーボール

 タイのオカマのバレーボールチームが国体で快進撃をする映画。…いや、見たいでしょう、これは。あらすじだけで惹きつけられるでしょう。ぐぐぐいっと。
 見てみると、ストーリー的にも普通のスポ根ものなんだけど、オカマの演技が全くもって素晴らしいのですね。いるいるこんなオカマみたいな。これは万国共通ですね。キャストは基本的にストレートの人たちだけど、ピアという一番美人?のオカマの役の人がホントのオカマなんだそうだ。でもこの人、ホントに美人なんだ。見ただけじゃわからない。惚れてしまいそうでした(笑)。
 タイでは日本なんかよりももっとゲイに対する差別は厳しいらしい。この映画の大ヒットで少しでもゲイに対する見方が変われば、という作り手側の意識は多少なりとあったようだ。実際、チームの中で唯一のストレートであるチャイ(ジェッダーポーン・ポンディー)がモン(サハーパープ)と反発しながらも友情を深めていくあたりは感動させてくれる。他のメンバーもさまざまな差別に耐えつつ、前を見て生きていく。その姿に勇気づけられる人も多いだろう。しかしそう言ったシリアスなメッセージは確かにありつつも、見たまんま笑ってしまえばいいんじゃないかと思う。だって、とにかくハイテンションなんだもん、オカマさんたちが。負けじと見てる側もハイテンションになってしまう、そんな映画です。
 で、驚くべきはこの映画が実話に基づいたものであること。エンドクレジットのときに実際のサトリーレックの試合の映像なりテレビ出演の時の映像が見られるのだけど、すごく感動してしまった。こんな話が現実にあるのだということが嬉しくなってしまった。人間って素晴らしい。なんてね。