無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

ウルフルズの明日はどっちだ

ベストだぜ !!

ベストだぜ !!

 男の弱さ、情けなさ、カッコよさを不器用なまでにストレートに暑苦しく体現するバンド、ウルフルズ。その代表曲をほぼ網羅したこのベスト盤がつまらないわけはない。のだけど、あの「明日があるさ」はちょっと、どうなのだろう。もちろん元曲はいいし、あの曲をあそこまでケレンなく演奏できるバンドも彼らくらいのものだろう。あの曲が不況にあえぐ疲れたサラリーマンの癒しソングとして大ヒットしてしまうのもまあわかる。わかるけれども。「明日があるさ」というメッセージを彼らが他ならぬ自分自身のために歌ってるような気がしてしまうのは僕だけだろうか。そういう身も蓋もなさをあけすけに見せてしまうのも彼らの魅力ではあるとは思うのだがしかし。僕は今だからこそダサさスレスレのこてこてソウルでもってみっともなく、そして最高にカッコよくもがきながら前進するさまを見せてほしいのだ。このベスト盤の一区切りからすぐにでもその先を見せてほしいと思う。ここに収められた名曲たちをとっとと追い越してほしいと思う。ここで止まってちゃダメだよ。