無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

21st Century Boys。

The Music

The Music

 例えば、ストーン・ローゼズの「アイ・アム・ザ・レザレクション」後半のインストルメンタルパートを聞いた時の衝撃。クーラ・シェイカーのデビューアルバムを再生したときの衝撃。このアルバムを聞くと、そうした類の衝撃とそこかしこで出会うことができる。今までのシングルが本当に予告編に過ぎなかったという驚きのデビュー作。これが若干20歳のバンドの手によるものなのだというのだから全く何と言えばいいのやら。
 正直、アルバム単体としての完成度がそれほどまでに高いのかと言うとそうではないと思う。ただ、1枚通して自分たちから生まれたものだけでオリジナルの世界を作り上げていることがすごい。音だけでなく、シンプル命な曲のタイトルからジャケットワークに至るまでどこから切ってもザ・ミュージックの世界だ。どんなにシングルがヒットしたとしても、基本的に彼らはアルバムアーティストなのだと思う。そういう意味ではスミスのデビュー作に近いかもしれない。
 決してずば抜けて演奏能力が高いわけじゃないけれども、この地の底から地面を持ち上げるようなパワフルなグルーヴには抗えない。個人的にこういう音はもう絶対に好き。まだタイトルは取ってないにしても、新人でいきなり10勝とか、ホームラン20本くらいの成績を軽く上げてしまったくらいのインパクト。こいつらはこれからタイトル総なめにするんだよ、きっと。追っかけて損はない。