タランティーノの真骨頂。
- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ / ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2004/04/16
- メディア: DVD
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前編にあたる本作では、ザ・ブライドの復活とルーシー・リュー演じるオーレン・イシイとの対決シーンに大きく時間が割かれる。オーレンが組織に入るまでの生い立ちは日本のプロダクション製作したアニメで描かれるが、これが結構秀逸。タランティーノ、ジャパニーズアニメも好きなんだろうな。ザ・ブライドとオーレンの部下達数十人との大立ち回りでは腕や足や頭がぼんぼん飛び跳ねる。残虐な描写ではあるが、ここまでやってくれるともう笑ってしまうしかない。ザ・ブライドのために日本刀を作るのはもちろん千葉真一。脚本、キャスト、演出からアクション、全てにおいて監督の頭の中にあるものを凝縮した、ザッツ・タランティーノ・ワールド。個人的には最高としか言いようがない。早く後編が見たい。
本作は特に、日本のヤクザ映画に対するオマージュが多く挿入されている。なんたって主題歌が梶芽衣子だし(実際、これが流れてくると爆笑モノ)、照明の色使いや構図など、鈴木清順を髣髴させる部分もある。そして何より、冒頭のテロップで本作は深作欣二に捧げられているのだ。タランティーノの本作への思いは伊達や酔狂ではない。思わず笑ってしまうようなシーンも、彼の映画を愛する心がなせる技なのだ。