無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

究極のオレ流! じゃんけん先発の山井完封

http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20040913&a=20040913-00000006-nks-spo


じゃんけんで先発を決めることの是非は置いといて、落合監督の采配が誰かさんのようなカンやひらめきではなく、より成功する確率の高い方法をとるという理論的な裏付けに基づいたものであるということがようやく僕にも実感を伴ってわかってきた。
正直言って今年の中日は客観的に見て優勝できるような戦力ではないと思う。今でも首位にいるのが不思議なくらいだ。本塁打数はリーグ最下位だし、そもそも今は4番打者がリタイアしているのだ。そんな中でほぼ独走という形で優勝に向かって行けているのは何よりも投手力と、それを最大限に生かすチーム作りを落合監督が最初から意識して進めてきたからだ。相手よりも1点多く取れば勝てる。幸いにして自分達には相手を1点でも少なく抑えられる投手力がある。だから落合監督は1点を取る野球にこだわった。それは犠打と盗塁でリーグ1位の数字を挙げていることからもわかる。オールマイティーな選手を揃えるのではなく、守備でもバントでも選球眼の良さでも、何か一つ秀でたものがあればそこに特化して適材適所で選手を起用する。控えの選手でもきちんと自分の役割を与えられているので出番が少なくてもモチベーションが下がらない。そしてそれで結果が出ているわけだから、落合監督に対する選手の信頼が高いのも当然といえば当然だろう。
現役当時の落合は凡人には理解できない独自の打撃理論や調整法で他の選手とは一線を画す存在だったけど、監督としての彼は自チームの選手に決してその自分の理論や技術を押し付けようとしていない。もしかしたらそもそも自分にしかできないと思っているからかもしれないが、「名選手名監督(コーチ)にあらず」の大きな要因はその選手だから出来た、身についたような特殊な技術や感性を全ての選手に理解させようとするところから間違いが始まるからだという気もするので、結果的に落合のアプローチは正解なのだと思う。「投手は先発完投でなければならない」と思ってるどこかの監督とはそこが違う。
野手出身の監督でありながら継投策をそんなに外さないのも武器。これは投手コーチがいいのかもしれないけど。というわけで「もしかしたら落合監督名将かも」説をここに提唱したいと思います。確かに地味かも知れんけど今のドラゴンズ、ファンとして非常にいいチームだと思いますよ。若手とベテランのバランスもいいと思う。