無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

氣志團現象最終章(3)

氣志團現象最終章−THE LAST SONG−
■2004/10/23@真駒内アイスアリーナ
 「史上最大のカラオケショー」の余韻も冷めやらぬ中、翔ヤンとランマがアコギを持って登場。「鉄のハート」のワンコーラスを弾き語りで歌う。このツアーは氣志團にとってこれまでの彼らの集大成とも言えるものなので、冒頭に述べたように「氣志團とは何か」「何のために生まれてきたのか」「なぜこの6人でなくてはならなかったのか」そういった根源的な命題が大きくテーマとして掲げられている。それに対する一つの回答とも言えるこの曲は、常に彼らのGIGでもセットの中で重要な位置を占めてきたし、ここから始まる後編のスタートを切るにふさわしいものだったと言えるだろう。そのままバンドスタイルの「鉄のハート」に移行し、「キラキラ!」と続く。紙吹雪が舞い、来るべきフィナーレの予感の中会場中が踊り、歌う。「Secret Love Story」に続き、そして「ワンナイ」でさらにガソリンを注ぐ。本編ラストの「族」では、氣志團旗を持ったたくさんの旗手が登場する中、翔ヤンと光がステージの端から端まで走り回り観客を鼓舞する。客も応える。氣志團とは一つのチームであり、ファンであるKISSESもまたその中の一員なのだ。それを象徴するこの「族」で会場に集まった人間がその絆を再確認したのだった。
 あっという間のアンコール、翔ヤンが(ダラダラトークも交えつつ)ひとりづつメンバーを紹介し登場させる。「Boys Bravo!」「ゆかいな仲間たち」そして「一番星」まで一気に突っ走った。この時点で、実はGIG開始からゆうに3時間以上が経過していた。エンドロールの映像が流れ、メッセージが出て終了。ほとんどの人間はそれを最後まで見届け、大きな歓声と拍手が会場を包んだ。そしてその時。バイクのエンジンの爆音とともに、あのイントロが。そう、「国道127號線の白き稲妻」だ。これもまた、前述した氣志團氣志團であるためのテーマを具現化した曲である。曲構成、歌詞、振り付け、コール&レスポンス、その魅力を圧縮した奇跡のような楽曲。改めてその力を思い知った。「127」〜「氣志團コール」のフルコースもばっちり。完璧なラスト。完璧なショウだった。
 本当のエンドロールは、チェッカーズ「Jim&Janeの伝説」をバックに彼らの青春時代をテーマにしたVTRが流される。ベタベタな小芝居ではあるのだが、感動してしまった。氣志團氣志團である理由。そして僕達が彼らに惹かれる理由。それらが大きな円環が完成するように目の前に現われたような気がした。あまりにも美しくできすぎたラスト。しかし、ある意味それも当然だ。氣志團は最初からそのコンセプトや佇まいをツッコまれることはあってもボロを出して隙を見せるようなことはなかった。緻密な計算の元に野放図なまでに広がっていった氣志團現象。その到達点をまざまざと見せつけた夜だった。開演から実に4時間弱。とてつもないボリュームを満喫した。ツアーラストの東京ドームでは一体どういうことが起こるのだろう。興奮と充足感に包まれたまま、帰り道に僕はそんなことを考えていたのだった。

■SET LIST
1.房総スカイライン・ファントム
2.黒い太陽
3.雷電
4.ゴッド・スピード・ユー
5.スウィンギン・ニッポン
6.恋人
7.D×D×D
8.潮騒の子守唄
9.デリケートにキスして
10.PETERPAN EXPRESS
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(史上最大のカラオケショー)
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11.鉄のハート
12.キラキラ!
13.Secret Love Story
14.One Night Carnival
15.族
<アンコール1>
16.BOYS BRAVO!
17.ゆかいな仲間たち
18.一番星
<アンコール2>
19.國道127號線の白き稲妻