曖昧は許さない。なぜなら私は魚雷だから。
- アーティスト: Bloc Party
- 出版社/メーカー: Vice Records
- 発売日: 2005/03/22
- メディア: CD
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ちなみに僕はどちらであろうと個人的な好き嫌いには全く関係ない。フランツのようなスタイルのバンドを無意味と批判する向きもあるとは思うが、僕は全然OK、大好きである。それは僕が80年代という時代に音楽的アイデンティティーを確立した世代であるということに関係しているのかもしれない。ワム!やデュラン・デュランやカルチャー・クラブに洗礼を受け今でもワクワクしながら聞き返すような人間がフランツ・フェルディナンドに興奮しないわけがないのだ。
で、ブロック・パーティである。同じ80年代とは言え上記のようなチャートバスターではなく、ギャング・オブ・フォーなどの80年代初期のポスト・パンク/ニューウェイブからの影響を感じさせるサウンドだ。切れのいいギターリフと小気味良いリズムが曲の輪郭をはっきりと形成している。ぶっちゃけ、ギターとドラムだけで曲が進んでいくような感覚すらある。余計な混ぜものは一切なく、こういう音楽が欲しい、という明確な意思の元に鳴らされた音であると思う。演奏にもミックスにも迷いがない。非常に気持ちいい。誰もを屈服させるような最強メロディーがあるわけではないが、曲の作りは非常にシンプルであり、ポップ。それに加え、速いビートで押すだけでなくスローな曲もあり、なかなか芸達者なところも見せている。それもベタベタなバラードではなく音の空間から強固な世界観が匂い立つような、緊張感あるナンバーばかり。チャラチャラせずにどこか冷めた視線を残し、そのくせ熱い一本気な漢くささを感じさせるバンド。こういうスタンスはすごく好み。
女の子向けじゃなく男の子用のグリコのおまけ、と言うとあまりに安っぽいか。一言で言うと超合金のロボットのようなバンド。カッコいい。