無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

セキュアCDをWindowsでリッピングする。

世に出た途端、当然ながら各方面で大ブーイングをくらっている東芝の「セキュアCD」とか言う代物。ソニーレーベルゲートのようにMacでは何もせずに普通にリッピングできるというのは情報としてすでに広まっていますが、Windowsでも意外とあっさりとリッピングできました。ちなみに僕のPCのドライブはMATSHITA DVD-RAM UJ-830Sです。
正規の手続きでは
・専用のプレイヤーのみでPCでの再生が可能
・音楽ファイルへは専用ソフトを用いてWMAにのみ変換可能
・CD-R等へのコピーは回数制限あり

ということになっているようです。iTunesはもちろん、SonicStage等のソフトにも非対応なのでそのままではiPodで聞くことはできません。

Windowsでのリッピングの仕方
CDをドライブに挿入すると、自動的にプレイヤーが立ち上がり、使用許諾契約書が表示されます。ここで「同意しません」を選択し、プレイヤーを閉じてリッピングしてもダメなのです。僕が通常使用しているのは「CD2WAV」です。EACでも同様にWAVファイルに落すことはできますが、内容がぐじゃぐじゃになってわけのわからない音の塊になってしまいます。

いろいろなサイトでの情報を総合すると、上記のようにプレイヤーを閉じても、Autorunでプレイヤーが立ち上がった時点で既に音声ファイルにいたずらする何がしかのプログラムが作動しているらしいです。なのでその状態でリッピングしてもエラーが生じ、意味不明なデータにしかならない。
なので、方法としては簡単です。「Shiftキーを押しながらCDを挿入する(Autorun機能を解除する)」これだけです。そうすると、件のプレイヤーは立ち上がらず、単にCDがドライブに挿入されただけの状態です。この状態でリッピングソフトを使用して音楽データのリッピングを行うと…
あっさり成功。聞いてみても、全く問題ありません。iTunesのライブラリにも追加でき、AACへのエンコードも問題なく行うことができました。全曲通して聞きましたが、特に音質面でおかしな部分はありませんでした。僕は試してませんが、EACでも問題なくリッピングできると思います。他のセキュアCDでもおそらく同様の結果になるでしょう。
Macでは何もせずにそのままスルーできて、WindowsでもShiftキーを押すだけで簡単に解除できる「セキュアCD」。これ果たして意味があるのでしょうか。CCCDのように帯にロゴが入ってるわけでもなく、ぱっと見普通のCDとの区別がわかりづらいですしよりタチが悪いと言えるかもしれません。ただ、上記は正規の使用法ではないのでドライブへ余計な負担がかかっている可能性は否定できません。使用はあくまでも自己責任でということですね。

ところで、これが一番重要なことなのですが、件のCD、ローリングストーンズの『A Bigger Bang』は60才を超えたバンドの作品とは思えないくらい、溌剌として味のある素晴らしいアルバムでした。個人的に90年代以降のストーンズのオリジナルでは一番好きです。iPodに入れてヘビーローテで聞いています。こんないいアルバムが意味不明の仕様によって単純に聞く楽しみを阻害されてしまうというのは残念なことです。音楽ファンは舐められてますよ。もっと声を荒げていいと思う。

参考:
東芝EMIの「セキュアCD」(フェアフリーダムCD技術)を試す
「指一本でいける」:音楽CDのコピーガード機能解除方法、米で発表