無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

ミュージシャン・岡村靖幸被告、覚せい剤実刑判決
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20051021i204.htm

執行猶予中の再犯ということで、実刑を免れないのは当然だろう。残念ではあるが、きっちりと務めを果たして出て来てほしい。アルバム9年待ったのを考えればすぐだ。もちろん、出てきたとしても音楽活動を再開するかどうかは分からないが、それでも待つ。彼の音楽に人生を動かされた人間として、それは当たり前の感情なのだ。
ミュージシャンがこういう事件を起こした場合、その人間が過去に創った音楽をも否定するような動きが出ることがある。社会的に、CDが店頭から消えるなどの措置は仕方がないとしても、ファンの中にもそういうことを言う輩がいる。僕自身はそういう風には考えない。ミュージシャンと、彼が創った音楽は別のものだ。ある音楽を聞いて感動したとして、果たしてその音楽を創った人間がその感動に値するかと言えば、そうかもしれないしそうではないかもしれない。ミュージシャンとして、アーティストとして優れた才能があるということと、人間として尊敬に値する素晴らしい人物であることはイコールではない。そもそもイコールである必要もない。それは関係のない二つの独立した事象にすぎない。
ヤク中が創ろうが、女子供に暴力を振るうアル中のロクデナシが創ろうが、平気で仲間を裏切るクズが創ろうが、素晴らしいものは素晴らしいし、美しい音楽は美しいのである。ミュージシャンの人格とか、逮捕されただとか、そういうことは音楽の価値とは全く関係ないことだ。音楽の本質はそんなところには無い。そんなところには無いのだ。