無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

なんとも言えないわびしい気持ちになったことはあるかい?

魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE 通常版 [DVD]

魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE 通常版 [DVD]

 元巨人のクロマティ氏に訴えられたりと各方面で話題を振りまいた映画版。改めてDVDで見直してみたのだけど、なんというか、本当にくだらないことこの上ない。もちろんこれは褒め言葉のつもりなのだけど、いい年したオトナたちがこんなくだらないことに生活なり何なり、そうしたものをかけて取り組んでいることに感心したりする。
 シュールなネタが4コママンガのように次々と展開される原作のテイストを基本的には踏襲しているのだけど、それだけで一本の映画として成立するわけはなく、一応の基本となる筋は作ってある。それが地球防衛軍宇宙猿人ゴリのプロットということになるのだけど、これは正直そんな、どうだろう、という感は否めない。なぜゴリ?阿藤快の出演も含め、内輪ウケ的な匂いがすごくする。カルト的な笑いを追及する方向自体は嫌いではないのだけど、単純に僕としてはあまり面白いとは思えなかった。まあ、この映画はマスクド竹之内板尾創路、フレディに渡辺裕之、そして神山に須賀貴匡というキャスティングの妙で半分勝ったようなものなので、それでいいのだと思う。そもそもこの映画にあまり細かいこと言ってもしょうがない。ただ、林田のキャスティングはちょっと考えて欲しかった。せめてあの髪形を再現するくらいは。全体的な作りの雑さ(安さ)もB級的なのだけどその割に無駄に豪華な部分もあったりして、その辺の力の入れ具合が前述の「感心」につながってくる。
 原作の味を完璧に再現したのではと思える劇中劇「プータン」など、そこそこ見所も多いが、やはり故・橋本真也の姿に涙するファンは多いだろう。限定版の特典ディスクには彼の出演シーンをフルで収録した映像が収められているが、なんとも言えないわびしい気持ちになってしまうこと間違いなしである。まじめに鑑賞するのではなく、大勢でパーティでもしてる後ろで流すのがいい使い方だと思います。
 そしてこのメカ沢仕様限定版の存在感(というか置き場所の無さ)。加湿器と比べても遜色なしっていうね。