無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

もっと自由に。

ZAZEN BOYS TOUR MATSURI SESSION
■2005/12/16@ペニーレーン24
 アヒトイナザワが脱退し、ファンもその後の活動に少なからず不安を覚えていただろうZAZEN BOYSであったが、結局バッファロー・ドーターズボンズ等でおなじみの松下敦を加え、新たなフェイズを迎えることになった。
 松下氏加入後のライヴはこれが個人的には初めてだったのだけど、その力強くしなやかなグルーブ感がZAZENに新しい魅力を与えているという感じがした。おそらくはこれまで以上にセッションを重ねる中で体得したのであろう、その演奏は非常にフリーランスでありながら1本芯が通ったものだった。氏加入後のマキシ「HIMITSU GIRL'S TOP SECRET」の曲や新作の曲はもちろんのこと、以前の曲も基本的なアレンジは変わっていないものの、自由にいつでもその場の雰囲気に応じて曲の姿を変えられるような自由度の高さが感じられた。アヒト氏のドラム時代のZAZENはどう変化してもロックを感じさせるサウンドだったが、現在はもっとノンジャンルというか、言うなればジャズ的な即興性を含んだものになっているのじゃないかと思う。
 新曲では向井秀徳はギターではなくエレピを弾くなど、サウンド自体も広がっている。ZAZENというバンドは、非常にストイックにセッション(練習)を重ね、自分らのサウンドに磨きをかけるバンドという印象があるのだけど、それは裏を返せば自分らのサウンドに対する飽くなき貪欲さがもたらすものだとも思う。向井はいつでも飢えているのだ。
 しかし、長年連れ添ったドラマーと袂を分かっても、全くその活動が停滞することなく、それどころか確実に進化していくというのはすごいことだと思う。それはやはり向井秀徳という人の頭の中に在るサウンドイメージが全くブレていないからなのだと思う。

■SET LIST
1.USODARAKE TAKE2
2.HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
3.HARD LIQUOR
4.MABOROSHI IN MY BLOOD
5.IKASAMA LOVE
6.開戦前夜
7.METAL FICTION
8.FRIDAY NIGHT
9.WATER FRONT
10.SEKARASIKA
11.COLD BEAT
12.Telecaster Summer
13.感覚的にNG
14.CHIE chan's Landscape
15.TANUKI
16.WHISKY&UNUBORE
17.COLD SUMMER
18.自問自答
19.半透明少女関係
<アンコール>
20.KIMOCHI