無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

新たなる伝説に向けて。

氣志團 HALL GIG TOUR 2005→2006 氣志團学園〜愛羅武勇からはじめよう〜 追加公演
■2006/04/01@横浜アリーナ

 氣志團というバンドのありようを考えた時に、この「氣志團学園」というタイトルの持つイメージは最高にドンピシャであると感じた。僕自身の高校時代は全く何もこれと言ったトピックのないものだったのだけど、それだけにこの氣志團学園での体験がどのようなものなのか、DOKI DOKI WAKU WAKUを喚起させられるのだった。そして会場でパンフレットを購入した時に、その興奮は最高潮に達する。「ハイスクール!奇面組」のコミックス表紙を模したそのデザイン。奇面組をはじめとした登場キャラの愛あふれるコスプレ。20年前にティーンだった人間にはたまらない仕掛け。中を開いても、思わず懐かしさを喚起されるフレーズや写真のオンパレード。過去の彼らのツアーパンフの中でも珠玉の1冊ではないだろうか。
 「氣志團学園」に入学した新入生の歓迎パーティーで、先輩である氣志團がGIGを行うという設定のGIG。だが、設定が何であれ、GIGは内容の詰まった素晴らしいものだった。彼らの気負いが空回りしてなかったという点で東京ドームでの最終章よりも良かったかもしれない。中盤でおなじみのスクリーンによる映像&寸劇タイム。今回は氣志團と学園の覇権を争う「サディスティック4」というボンボン4人組が登場。(佇まいは、よく知らないけど「花より男子」みたいな感じで、名前はファンタスティック4から?)いやー、これが思ったよりもよかった。氣志團が出てこない時間としてはかなり長かったのだけど、ほとんどダレることなく会場を支配していた。それはひとえにリーダー役の微熱DANJI ・星屑輝矢の成長によるところが大きい。その演技力、見栄の切り方、存在感、ともに素晴らしかった。サディスティック4の横暴を阻止しようという氣志團との全面抗争の中で、メンバーが次々と倒れていく。最後に残ったのは綾小路翔。そして・・・という展開で、ラストは綾小路と星屑の壮大な空中デュエット。歌唱力においても、引けを取るどころか綾小路を凌駕するほどのポテンシャルを見せていた。無理やりな大団円の後、GIG後半はこれでもかのヒットパレード。「学園」のコンセプトを締めくくる本編ラストはやはり「キラキラ!」しかない。
 アンコールでも1時間近くある、ボリューム満点の内容。気がつけば氣志團学園卒業になっているほどの密度。2度目のアンコールでは、氣志團6人のアコースティックステージというほとんど見たことのないステージも用意されていた。音楽的にもその他でも、今の彼らのできることの全てをつぎ込んだものを見せてくれたと言えるのではないだろうか。この一つの成果をもって、この夏2度目の氣志團万博に挑む彼ら。まだまだRomanticは止まらないのだ。

■SETLIST
1.夢見る頃を過ぎても
2.勇気
3.ゴッド・スピード・ユー!
4.スウィンギン・ニッポン
5.デリケートにキスして
6.21世紀パラダイム
7.中の島大橋ブルーズ
8.萌え萌えRock'N'Roll
9.恋人
10.男帝-Dandy-
11.愛羅武勇
12.鉄のハート
13.結婚闘魂行進曲「マブダチ」
14.One Night Carnival
15.キラキラ!
<アンコール1>
16.俺達には土曜日しかない
17.黒い太陽
<アンコール2>
18.俺とおまえとGood Luck
19.涙BOY涙GIRL