無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

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 やはりザ・クロマニヨンズヒロトマーシーの新バンドだった。噂は本当だった。あの二人が袂を分かつことなど信じたくは無かったし、有り得ないとも思ったけど、こうして実際に新しい活動が始まったのは嬉しい。
 でもそうなると「何でハイロウズを休止したの?」ってことになるんだけど、なんとなく、わかるような気がしてきた。あくまでも個人的な推論(というか妄想)でしかないけれど、白井幹夫さんが抜けた時点でハイロウズとしてはひとつのタームを終えたのだと思う。彼の脱退後すぐのライジングサンだったと思うけど、(夜の野外なのに)屋台みたいな薄暗い照明の中ですごい目をして演奏するヒロトマーシーの姿を覚えている。ハイロウズの音の大きなポイントだった白井さんのピアノが無くなって、素っ裸以下のロックンロールを死に物狂いで鳴らしていたのだと思う。僕は結果的に最後のアルバムになった(そして白井さん抜きでの唯一のアルバムである)『Do!! The★MUSTANG』という作品が非常に好きなのだ。あの時の、ものすごい形相の彼らが鳴らしていたむき出しのロックがハイロウズでしかありえない形で実となったアルバムだと思うし、アレが作れたからこそ、そこで終わらせた(正確には休止ですが)のかな、と思う。
 そのアルバムにある「ズートロ」という宣言がザ・クロマニヨンズに引き継がれているのだとしたら、素晴らしいことじゃないか。素っ裸じゃ満足できなくて、旧石器時代まで遡ってしまったのである。最高じゃないか。今年のライジングサンの楽しみがまた増えた。