無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2006 in EZO(4)〜幸せな午後〜

■2006/08/19@石狩湾新港
 テントの中で朝を迎えると、晴れて太陽が出ている時は蒸し風呂のように暑くなり、それで目が覚める。この日は、まだ曇りがちだったのでそれほどテントの中も暑くはなく、結局10時くらいまで熟睡した。顔を洗ったりなんだりしていると開場時間になり、どんどんお客さんが会場に入ってくる。

 当然のように朝からビールを飲んで食事。この日は甲子園の準決勝。今年も駒大苫小牧が勝ち進んでいるので、会場で配られる新聞にもでかでかと記事が出ている。昨年は、ちょうど優勝の瞬間を会場で向かえた。ビールや食べ物が優勝セールで安くなり、なかなか助かったのだった。
 この日のオープニング、何を見るか最後まで迷っていたのだけど、RED STARで真心ブラザーズを見ることにした。個人的には実はRED STAR FIELDは最も居心地の良いステージだ。敷き詰められた干草の上に立つと、なんとなく、帰ってきたなあという気になる。今年の真心は昨年の4人バンドヴァージョンではなく、ホーンセクション、コーラスにうつみようこを迎えたいわゆるMB'sスタイル。しかも、スペシャルゲストとしてキーボードにスカパラの沖祐一を迎えての特別仕様。なんとなく、これはいい雰囲気なんじゃないか、と思ったところに「拝啓、ジョン・レノン」からいきなりMAX。「新しい夜明け」「空にまいあがれ」と、一気にたたみかける。新作から「情熱と衝動」を挟んで「素晴らしきこの世界」へ。ちょうど、晴れ間も出てきた。雲の切れ目から青空がのぞく。盛り上がらないわけがない。そしてYO-KING曰く、「タクシーのラジオで『甲子園の応援で演奏される曲特集』をやってて、1位だった曲」。駒大苫小牧頑張れムードを後押しするように、大爆発。他のステージに行こうと通りがかった人も、この真心でつかまった人は多いんじゃないだろうか。ちょっと後ろを見たらものすごい人が導線にまで溢れていた。「真心ブラザーズには夏の歌もいっぱいあるんだ」と、「Dear Summer Friend」、「Endless Summer Nude」へ。どうだよ、この惜しげの無さ具合。「Everybody〜」のクライマックスと、ラストの「Relax〜」での大合唱。無敵の幸福感だった。懐かしい、というのはもちろんあるけれど、そういうことではなく、この幸福感とポジティブさを今歌うことに意味があるからこその復活であり、現在進行形の真心なのだ、ということがよくわかった。個人的には文句無く、今年のベストアクトだった。

■SET LIST(真心ブラザーズ
1.拝啓、ジョン・レノン
2.新しい夜明け
3.空にまいあがれ
4.情熱と衝動
5.素晴らしきこの世界
6.どか〜ん
7.Dear Summer Friend
8.Endless Summer Nude
9.愛
10.Everybody Singin' Love Song
11.Relax〜Open〜Enjoy


 SUN STAGEに移動。ものすごい人が波打ってる。ケツメイシだから当然か。テントに戻って嫁と合流し、今回の目玉である米米を待つことにする。ウチのテントからはGREEN OASISの音が聞こえるのだけど、テントで休んでいた嫁の話だとポカスカジャンのステージから「ガリガリ君」の曲が聞こえてきたらしい(笑)。だから何だって話だけど。
 前にも書いたことがあるけれど、米米というのは僕にとっての青春であり、カラオケの節回しから大げさに言えば人生哲学まで影響を受けたバンドだ。フェスバブルのこの時代に、最もフェス栄えするであろう彼らのようなバンドが復活するのを待っていた人は多いのではないかと思う。この日が復活後の初ライヴ。しかし登場した彼らは、特に大げさな演出もなく、非常にリラックスした感じだった。BONはデジカメでステージ上から写真を撮っていた。小手調べっぽく「マイクチェック」の歌?からスタートし、カールスモーキー石井が姿を現すと一気に会場はヒートアップ。「We are米米CLUB」から「浪漫飛行」へ。明らかにリアルタイマーではない若い人もこれには反応。そして「君がいるだけで」のイントロでさらに温度が上がる。おお、さすが、ヒットメドレーか?と思いきや、「ありがちな罠」で演奏はストップ。「罠にかかっちゃダメだよ!(ぎゃーっはっは)」という、かつておなじみだった一発芸で数千人をスカしにかかる。わー、米米だよ。カールスモーキー石井のトークや悪ふざけぶりは嬉しくなるほどに全く衰えていない。新作シングルから「イッショケンメソング」(彼らのポップサイドが強調された佳曲)の後、最後の1ピース、ジェームス小野田がなぜか自転車でステージ前に乗り付け、最前列の客に飴玉を投げながら登場。謎の演出。小野田氏が登場したということはファンキー系ということで、ジェームス・ブラウンの「I Got You」のカバーも交えひとしきりジェームズ小野田タイム。来るべきアルバムに収められる予定の新曲を挟み、「愛 know マジック」からラストスパート。新曲「WELL COME 2」は秋からのツアーでもハイライトになるだろう、盛り上がる一発。ジェームス小野田おなじみの山本リンダカバー、「狂わせたいの」から「Shake Hip!」へ!今でも振り付けを完璧に踊れる自分にちょっと驚いた。しかし、楽しい!ラストの「せ〜の!って言ったら跳ぶんだよ〜」のお約束ダマしもちゃんと復活。シュークリームシュの踊りも含め、米米復活!ここにあり!を見せつけた1時間だった。ド派手なセットなど無くても、いい曲といい演奏と話術と心意気があればこれだけのエンターテインメントになるのだ、といういい見本。若い人の中には氣志團のルーツをここに見た人もいただろうと思う。「もし、いまさら感が漂うイタいステージだったらどうしよう」という心配は全くの杞憂だった。よかった。

■SET LIST(米米CLUB
1.マイクチェック
2.We are 米米CLUB
3.浪漫飛行
4.君がいるだけで(罠バージョン)
5.イッショケンメソング
6.ライジングサンオノダサン
7.I GOT YOU
8.この宇宙で
9.腐れ縁
10.愛Know マジック
11.WELL COME 2
12.狂わせたいの
13.Shake Hip!
14.すまねえな