無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/npb/headlines/20061004-00000083-kyodo_sp-spo.html
 泣けるね。泣ける。立浪は今年レギュラーを剥奪され、森野の台頭もあってベンチを温める日々。しかしここ一番の代打の切り札としてこのベテランの力は今でこそドラゴンズに絶対必要なものだ。
 数々の球団記録を塗り替えてきたミスタードラゴンズとしてのプライドよりも、今年の立浪は日本一への想いが強い。山本昌もそうだ。共に88年、99年、04年と3度のリーグ優勝を経験しながら一度も手の届いていない日本一。山本昌は「200勝と日本一、どちらかを選べと言われたら」との問いに迷わず日本一と答えている。このベテランの想いがこの大事なシーズン終盤にノーヒットノーランの快投を演じ、サヨナラヒットでチームを勝利に導くのだ。

 野球の神様は残酷だ。もし今年ファイターズとドラゴンズが日本シリーズで対戦することになったら、僕にどちらを応援しろと言うのか。北海道の人間にとって、数年前には地元のプロ野球球団があること自体が夢の話だったのに。そのチームがシーズンを制し、日本シリーズに出場するかもしれないというのに。そんな夢のようなシーズンなのに。近鉄が無くなった今、最も日本一から遠ざかっているチームを応援し続けて25年。北海道に生まれ育ちながらドラゴンズファンになってしまった僕にはあまりにも酷だ。しかし、セを見てもパを見てもこんなに魂を揺さぶられるシーズンもいまだかつてない。どんな結末になろうとも、最後まで見届けよう。その義務が僕にはある。