「Mikaela Band」は伊達じゃない。
- アーティスト: サディスティック・ミカ・バンド
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2006/10/25
- メディア: CD
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加藤和彦はオーソドックスなロック/ポップ。幸宏はエレクトロッぽいポップス、小原礼はブルージーな渋いロックンロール、高中正義はエキゾチック風味なインストと、メンバーが各々違うスタイルの曲を書いているので、アルバムはバラエティに富んでいる。堀江博久をサポートに迎え、演奏もアレンジも職人的に完成度が高い。後半がちょっと渋すぎて平坦な感じはするものの、大人のポップアルバムとしてはいい仕上がりになってると思う。
実際、ミカ・バンド復活と言っても、音楽的にシーンをリードするような新しい試みがなされるとか、そういう意味でのセンセーショナルなものはない。木村カエラという優秀なボーカルに出会ったことで、同窓会的にもう一回やってみようかという流れになったという感じなのだろう。個人的には、いい大人がワイワイ遊んでいるような雰囲気は好きなので、これはこれでOK。そして、高中正義のロックギターリフが非常にキレていてカッコいいのも嬉しい。ソロだとあまりこういう音は出さないからね。プラス、このアルバムの収穫は「タイムマシンにおねがい」の松山猛が作詞した1曲目の「Big-Bang, Bang!(愛的相対性理論)」。これは、木村カエラの魅力が全開だし、歌詞もサウンドもメロディーも非常にカッコいい。2006年ミカ・バンドのテーマ曲と言っていいだろう。これと「タイムマシンにおねがい」が最初と最後にあることで、木村カエラの存在感がグッと浮き彫りになる。ここまでくれば、ツアーとかやってくれると最高なんだけどな。