ハイファイ・ローファイ。
- アーティスト: Beck
- 出版社/メーカー: Interscope Records
- 発売日: 2006/10/03
- メディア: CD
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前作『グエロ』は、原点回帰というよりは『オディレイ』以降のベックの集大成のようなアルバムだと思ったのだけれども、今作はいわば、『シー・チェンジ』と『グエロ』を結ぶミッシング・リンクのようなアルバムなのかもしれない。順番的には、このアルバムを作る過程で、『グエロ』に至る音楽的アイディアとアクティビティをベックが獲得した、という方が合点がいくし、実際、製作時期や過程から見てもそうだったんじゃないかと勝手に思っている。その辺、ベックというのは彼自身のその時の興味や精神状態が割と素直にアルバムに反映されるアーティストだと僕は思うので。
歌詞はかなりひねくれた表現が多いけれども、彼自身の内面や心象風景が比ゆ的に表現されたものが多いような気がする。それをことさらに強調するわけでも、何か特別なメッセージ性を持たせるわけでもなく、淡々と散文的に言葉を紡いでいるという感じがする。英語が分かれば、詩人としてのベックってのは結構興味深そうな気がする。