無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

スペイン道中記(4)

 午前中はアルハンブラ宮殿観光。日本人ガイドの方に同行していただく。現地の旅行代理店が観光客向けにやっているツアーに同行する形だったのだけど、入場チケットの管理とか、グループ分け(一度に入場できる人数が制限されているため)とか、結構アバウトだった。前日とはうってかわって快晴のいい天気。そして暑い。Tシャツで十分というくらいの陽気だった。かなり並んでようやく入場。一緒に入った人達は現地ガイドの英語解説を聞いていたわけだけど、僕らは日本人ガイドの方につきっきりでいろいろ説明していただく。アルハンブラ宮殿は、イスラム王国の文化様式と、キリスト教徒によるグラナダ陥落後に拡張されたスペイン王国の建築とが渾然一体となっていて、かなり異様というか、複雑な歴史と文化が垣間見えて興味深い建物でした。老朽化している部分は修復中のようで、有名な12体のライオン像も1体が屋内に展示されていただけでした。しょぼん。写真は宮殿に住み付いているらしき野良猫です。

 午前中いっぱいかかってアルハンブラ宮殿を一通り見終わり、歩いて宮殿のある丘のふもとまで戻る。途中、結婚式と思しき一団に出くわしたりして。こんなとこで結婚式、いいよねえ。ガイドのFさんとはここでお別れ。非常に詳しく説明してくれたし、写真もたくさん撮っていただきました。どうもありがとうございました。Fさんに、バスに乗ってアルバイシンに行くとアルハンブラ宮殿を外から眺められて綺麗ですよといわれたので、行ってみることに。1車線のめちゃめちゃ細い道をガタゴトとバスに揺られると程なくして到着。アルバイシンの町は、いわゆる「白い家」が多く、それだけで見てて楽しい風景でした。展望台、というか、教会のある丘の上からはアルハンブラ宮殿グラナダの町がほぼ一望できる、素晴らしい眺めでした。

 再びバスで町の中心部に戻る。グラナダを見つくそう、ということで、カテドラルを見に行くことに。開門の16時までやや時間があったのでお土産などを購入。スペインのお土産屋さんには、日本の観光名所のように木刀も置いてありました。「一.血気の勇を戒むるなり」とか書かれています。スペイン土産でこんなもの買って来られたらめげますな。あと、スペインのお土産屋さんどこでも見かけたのが、長いぐにゃぐにゃの曲がる鉛筆。これもスペイン関係ないよなあ。あと、やはりこちらは性にオープンなお国柄なのかわかりませんが、とても卑猥な形状の栓抜きやキーホルダーがありました。下がその写真です。自主規制としてモザイクをかけさせていただいております。ご了承ください。
 
 カテドラル開門。入ってみると、あまりにでかく、圧倒的。大聖堂は今まで見た日本のどんな教会よりも大きく、美しく、荘厳。両脇に2台のパイプオルガンがあるのですが、これが鳴ったら一体どんな音がするのか想像もつかない。中の彫刻や聖像、ステンドグラスなどの装飾に至るまで全てが素晴らしい。夫婦揃って言葉も無くただただ立ちつくしておりました。ネウマ譜の楽譜なんかも展示してありました。読めて歌えたらかっこいいだろうになあ。というわけでグラナダの主な観光地はおおよそ回った感じでした。南スペイン全体にいえるのでしょうけど、グラナダには、お土産物や街並みなど、かなりイスラム系の文化が色濃く残っていて面白かったです。再び4時間半かけてマドリッドに戻ると、既に23時半。疲労困憊だったので速攻でドロ寝です。