無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

スペイン道中記(8)

 5月9日(水)。バルセロナ最後の日。そしてつまりはスペインをゆっくり観光する最後の日となります。ラスト半日は買い物や何やらできっとつぶれるだろう、ということで、その前にバルセロナでも最も古い町並みがそのまま残るいわゆるゴシック地区をゆっくり見て回ることに。ここでの目玉はカテドラル。グラナダでも素晴らしいカテドラルを見ましたが、バルセロナのも負けず劣らず歴史があるようです。と思い行ってみると、狙い済ましたかのように工事中。ここもか。実際、老朽化が激しいようで、修理の資金も募金に頼っているそう。パンフレットもらいましたがきちんと日本語でも書かれていました。カテドラルの前ではお姉さん(おばさん?)二人が女子二楽坊って感じで琴みたいな楽器を演奏していました。やっぱり上手い。

 とりあえず中に入ってみると、観光客の他に地元の学校の社会見学のような集団もいてかなり混雑。中庭を見たり、エレベータで屋上に上ってみたり、ひととおり見てみました。その後は、王の広場とか、カタルーニャ自治政府庁、市庁舎(結構すごい建物)とかをくるくる回りつつ、ゴシック地区の趣ある町並みを堪能。こんなところに普通に人が住んでるというのも、当然ですが日本では考えられない。映画のセットみたいな町でした。ストリートミュージシャンのお兄さんもやはり多い。写真の人はアコギでラテン風味のインストを演奏していたのですが、めちゃめちゃ上手かったです。

 前日パエリアを食べられなかったレストランは本日休み。これは縁が無かったのだろう、ということでやはりガイドブックに載っている結構美味しそうな有名店で昼食。地元の人が行列を作る店と書いてありましたが、行ってみたら本当に行列。パエリアを食べましたがさすがに美味しい。量も結構多く、大満足。既にスペインで何度も食事をしているので、「飲み物はビール」というのは本を見ずにソラで言えるようになりました。スペインの国産ビールも何種類か飲みましたが、よく飲んだのがこの「San Miguel」というビール。スーパーで買っても普通に安いし、味もそこそこ。

 そのまま、たくさんのお店が並ぶ通りを行き、なにげに立ち寄った店で嫁さんの靴をゲット。カンペールのキッズサイズ(笑)で気に入ったデザインがあったようです。あとは、お約束のエル・コルテ・イングレス。各種お土産や自分たちの欲しいもの(笑)をいろいろゲット。嫁さんはトウスというスペインのブランドのバッグを奮発して買ってました。僕はと言うと、日本のマンガのスペイン語版を自分と、友人のためにお土産で買いました。我ながら安上がりだと思います。スペイン最後の夕食は、いわゆる「バル」で食べました。言ってしまえば、日本の居酒屋と同じようなものです。メニューには、前菜・揚げ物・焼き物・米料理・魚など、ジャンルごとに何種類かの料理が書かれていて、その中から好きに選んでいく。料理はそこそこ美味しいし、気軽に入れるし、高くないし、少人数で行くにはちょうどいいですね。店の壁には料理に使うのだろうと思われる豚の足がズラッとかけてありました。スペインではよく見る風景です。スーパーでもこの形で売ってました。豚足ならぬ豚脚ですな。

 そんな感じで、我々のスペイン旅行もこれで終了。飛行機ではやはりろくに眠ることができず、思いっきり時差ボケになりました。単純に観光として面白かったというのはもちろんですが、それ以上に日本語が通じない場所にぽつんといるということ自体が非常に新鮮な体験でした。自分が何者であるか、ということをいやでも再認識させられるというか。日本という国はいいなと思いましたよ。決して皮肉ではなく。でもスペインはもう一度行ってみてもいいですね。