生き物としてのレベルが違う。
- アーティスト: Bjork
- 出版社/メーカー: Atlantic / Wea
- 発売日: 2007/05/08
- メディア: CD
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ティンバランドをはじめ、様々な楽器やゲストを迎えて製作された本作は、サウンドのバリエーションもさることながら、ビョークという人のバランス感覚と危機感が全体の雰囲気を形作っている。つまりは、アメリカを中心とした不穏な空気の中で、どういう意識を保っていくのかというテーマである。彼女は、こうした社会的なテーマを扱う際に決して自分の考えやメッセージを直接的に表明することはしない。自分の歌とサウンドが発するエネルギーを聞き手が感じることで、何か前向きな考えを持ち、アクションを起こすためのきっかけになる。彼女の作品から発せられるポジティビティとはそういうものではないかと思う。彼女の作るサウンドやメロディには、緻密な計算というよりは、本能的な原始の生命力というようなイメージがついて回る。女性としてとか、人間としてとか以前に、生物としてのパワーが違うような気がしてしまうのだ。ジャケットやビジュアル面での奇抜さも彼女の魅力であるが、本作のジャケットでの奇天烈さも久々の快感。