無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

連パ。

 勝ったから言うわけじゃないが、この5戦通じてこのシリーズは非常に見ごたえのある、面白い戦いだったんじゃないだろうか。特にこの最終戦はダルビッシュと成瀬という、両チームの今シーズンを支えたエース同士の対決。成瀬は今シーズンパ・リーグには負けなし(唯一の黒星は交流戦の横浜戦)。対日本ハムも4戦4勝。バレンタイン監督も絶対の自信をもって送り込んだ切り札だったに違いない。ダルビッシュも絶対エースではあるが、第1戦完投した後の中4日登板。正直、不安だった。しかし、蓋を開けてみれば今シリーズ絶不調だったセギノールの1発で成瀬撃沈。両チーム先発投手を惜しげなく注ぎ込む総力戦。点差以上に、見ごたえのある試合だった。
 「シンジテマシター!」レギュラーシーズン制覇のときは淡々とインタビューに応えていたヒルマン監督は、この時のために取っておいたかのように決め台詞を叫んだ。5試合全て満員札止めになった札幌ドームは、テレビの画面を通じてみても涙が出そうなくらいに綺麗だった。シリーズMVPは当然ダルビッシュ。胴上げが終わり、優勝セレモニーが終わっても、ライトスタンドのロッテファンも、1塁ベンチのロッテの選手たちも帰らない。ロッテの選手たちがライトスタンドのファンに挨拶に行くと、周りのファイターズファンも拍手を送る。成瀬と西岡が泣いていたのが印象的だ。そして、両チームの選手がグラウンド上で健闘を称えあう。なんていいシーンなんだ。何と言っていたのかはわからないが、成瀬は執拗にダルビッシュに声をかけていた。日本シリーズに行くのはファイターズだけではない。ロッテの選手・ファンの想い、そしてパ・リーグ王者の誇りを持って臨むのだ。泣けたなあ。野球っていいスポーツだ。
 去年は、これが札幌で行われる最初で最後の日本シリーズかも、なんて言っていたのですよ。まさかまさか。こんなことになるとは。先行予約取れなかったので、一般発売に賭けます。札幌ドームで応援したいよ。