無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

 やりました。ありがとうございます。おめでとうございます。生まれて初めて見た中日ドラゴンズの日本一。いつか、いつかこういう日が来ることを信じていましたよ。仕事でテレビ見れなかったのが残念ですが。

 山井は本当に人生で一番じゃないかというピッチングだったのだと思います。8回までパーフェクトというのは日本シリーズでの最長記録なのだそうで。当然、完全試合となれば史上初。見る側にもそういう期待はあったことと思いますがしかし。スポーツライター玉木正之氏が9回、岩瀬にチェンジしたことにずいぶんとお怒りのようですが、僕は間違っているとは思わない。落合監督が過去に日本一の経験があり、この日のスコアが1対0でなければ、山井続投だったかもしれない。しかし、この日はこれが正解だったのでしょう。ドラゴンズは勝ったのだから、これが正解だったのです。そうとしか思えない。そういえば、落合監督がドラゴンズ時代、巨人戦で斉藤雅樹に9回1アウトまでノーヒットノーランをやられていたのをヒット一本からチャンスを作り、落合監督サヨナラホームランで勝った試合がありました。いくらいいピッチングをしていても、そういうことがあるのです。落合監督はそれを知っている。

 日本シリーズ、日本一が決まるその試合で完全試合などというのは確かにプロ野球ファンが夢見るロマンでしょう。しかし、ドラゴンズの試合、緊迫した1−0のゲームで最後を締めるのは岩瀬という守護神でなければならない。あるいは、落合監督は決めていたのかもしれない。どんなに点差が離れていようとも、日本一が決まる最後のマウンドには岩瀬を送るのだと。仮に前のピッチャーがノーヒットノーランだろうと、パーフェクトだろうと。それもまたロマンだろうと思うのです。山井がここまでのピッチングをしたのは、うれしい誤算。しかしそれはそれ。だからと言って、最初から決めていたゲームプランに変更は無い。それをやって、痛い目を見た経験が落合監督にはあるのだと思います。この大一番でそれをするわけにはいかない。仮に岩瀬が打たれたとしたら、それは自分が全責任を負う。監督というのはそういう仕事。2兎を追って負けるわけには行かない。確実に、勝つために最も確率の高い選択をした結果が9回岩瀬。それしかないのです。

 とにもかくにも、ドラゴンズは日本一になりました。僕がファンになってから6回目の日本シリーズ。ついに勝った。それに尽きます。ありがとうございます。おめでとうございます。