無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

 先週の土日、東京は上野の東京文化会館で行われた第60回全日本合唱コンクール全国大会を聞きに行ってまいりました。しかも1日目は仕事のため閉会式だけしか見れず、きちんと聞けたのは2日目のみ。それでも、たくさんの素晴らしい演奏に出会えたので満足です。
 そして、会場でお会いしたたくさんの合唱関係者の皆さん。久々に会えた方も多かったですが、いろんなお話ができて良かったです。どうもありがとうございました。打上げに参加させていただいたMODOKIの皆さんや、大2次会を仕切っていた大久保混声の皆さん、中日ドラゴンズつながりで乾杯しまくった愛知県ノース・エコーの皆さん、お久しぶりの文吾さん、ぜんぱくさん。皆さんのおかげで最高に楽しい時間を過ごせました。どうもありがとうございました。

 会場で、なにわコラリアーズのCDを即買いしてiPodで聞きまくっています。素晴らしい演奏。課題曲は以前彼らが演奏会でも取り上げたことのある曲。嫁はその演奏会を聞きに大阪まで行ったのだけど、実際はその演奏会のほうが良かったらしい。それでも、抑制されたトーンながら爆発寸前の感情がその裏で渦巻いているかのようなその音楽には説得力がありまくり。フレーズも柔らかだし、傷が見当たらない。課題曲ってのはなんとか減点を少なく乗り切ろうと思う合唱団が多いのに、好きで前に取り上げた曲が課題曲になるというのはただでさえ有利なのに、しかもあのなにコラである。いい演奏にならないわけが無い。ちょっと本気で泣いてしまった。自由曲はトルミスの「鉄への呪い」。タイトル通り、呪術的なソロのフレーズとそれを追いかけるTuttiがシャーマンドラムの規則的なリズムの上で淡々と展開されていく。その音像は次第に熱を帯び、不穏な響きを持つ一種ホラーとも言える雰囲気を醸し出していく。あっという間に引き込まれ、気がついたら抜け出せなくなっていた。なにコラは今年でコンクールの出場を最後にするという。観衆もそれを知っているので、入場から拍手の音がひときわ大きかった。この演奏は有終の美を飾るにふさわしい。最後の拍手は団員全てが退場するまで鳴り止まなかった。

 ほかにもいい演奏はたくさん聴いたのですが、感想はこれだけにしておきます。来年は岡山。きびだんごを食べに行けるよう、今から精進します。