スピッツというジャンル。
- アーティスト: スピッツ
- 出版社/メーカー: ユニバーサルJ
- 発売日: 2007/10/10
- メディア: CD
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前2作に引き続きプロデュースは亀田誠治氏だが、特にロック色を出そうとか新機軸を出そうという意図は余り感じられない。むしろ、スピッツの魅力や武器を更に磨いて臆面も無く前面に出すくらいのいい意味での開き直りがある。でも僕はそれで正解だと思う。若いバンドでもこんなに爽やかな音(ボーカルも含めて)出せるバンドはいないと思う。いいメロディーといい演奏、いいアレンジ、そしてマサムネの声。スピッツをスピッツたらしめている要素をきちっと掘り下げてやることでこのアルバムは成り立っている。それが「これ、前も聞いたことあるよ」にならずに新鮮な輝きを放つところがすごい。
歌詞は、基本的に恋愛を基調としながらも所々に草野マサムネの達観した人生観のようなものが見え隠れする。以前に比べエロティックな描写や毒が薄いが、「僕のギター」のように、前向きな希望が中心の今の作風には合っていると思う。2007年の新作だけど、鳴った瞬間にスタンダード。そのくらい充実したアルバムだと思う。