無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

気がつけば10年。

THE BACK HORN 「KYO-MEIワンマンツアー」〜裸足の軌跡〜
■2008/03/09@Zepp Sapporo
 前回の来札はアルバム『THE BACK HORN』のツアーの時で、ペニーレーンだった。今回はZepp Sapporo。会場がグレードアップしたわけだが、正直、フルとは言いがたかったか。後ろのほうは結構空間に余裕があった気がする。ペニーレーンとZeppだと倍以上キャパが違うし、かと言ってペニーレーンで狭いとなると次にちょうどいいライブハウスはZepp以外にはない。そこそこ集客のあるライヴをやるとなると意外と札幌のライブハウスはバリエーションが少ない。まあそれはいいとして。
 今回は結成10年を区切りとしてのベスト盤リリースに伴うツアー。よって、ベスト盤にも収録されている代表曲を網羅するセットになっており、インディー時代から現在までのバックホーンの軌跡を追体験するような内容だった。ということで、サプライズにはやや欠いた感もあるステージではあったが、バンドの力量と、曲の良さをあらためて感じさせてくれる安定感のあるライヴだったと思う。MCでも初めて北海道に来た時の話とかライジングサンでの思い出話とかこれまでの道程を振り返るものが多かったが、そんな中「罠」「刃」といった新曲がきちんとライヴのクライマックスとしてすでに機能しているところに、現在進行形のバンドの姿が垣間見えたような気がする。前述の2曲はタイアップものと言うこともあって、単体で聞いたときにはそれほど響いてこなかったのだけど、生で聞くと特に「刃」は2段階くらい熱量が違う。バンドの理念そのもののような歌詞といい、「魁!男塾」主題歌という冠を取っ払って十分成立する曲である。
 もともと前だけ見て突っ走ってきたようなバンドであるし、あまり振り返りすぎても、という気は正直する。区切りは区切りとして、やはりこの先の彼らに興味がある。またここから裸足で歩いていってほしい。

■SET LIST
1.冬のミルク
2.光の結晶
3.声
4.罠
5.生命線
6.風船
7.舞姫
8.アカイヤミ
9.ブラックホールバースデイ
10.ヘッドフォンチルドレン
11.未来
12.レクイエム
13.サニー
14.コバルトブルー
15.刃
16.空、星、海の夜
<アンコール>
17.初めての呼吸で
18.涙がこぼれたら
19.無限の荒野