無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

○F3−1H

 今年のダルはすごい。去年からすごいけど今年は話にならないくらいすごい。今日も先週の岩隈との投げあいのように8分の力で打たせて取る投球だった。明らかに長いイニング、延長も視野に入れてなるべく球数を抑えようというピッチング。で、7回にスレッジのホームランで勝ち越すと勝ちに行く、力でねじ伏せるピッチングに変更。結果8回9回でこの日の半分、5三振を奪った。相手によって、展開によって自由自在に打ち取る方法を選択できる強さ。これが今のダルのすごさじゃなかろうか。

 ダルビッシュが今の日本のプロ野球でトップクラスの投手であることは誰もが認めるところだろうけど、そういうレベルじゃなく、もっと十何年後か何十年後かにダルビッシュという歴史上偉大な投手の現役時代をオレたちは見ていたんだよ、と自慢できるようなすごいものを今北海道のファイターズファンは体験しているんじゃないだろうか。

 ここ20年くらい見ても野茂や松坂、斉藤雅樹、今中慎二、全盛期の伊藤智仁などこりゃ打てないな、というエースが各時代にはいたわけだけど、今のダルは少なくともトータルの完成度ではその誰もを凌駕してるんじゃないだろうか。もちろん、今シーズン終わったときにどういう成績か、というのが重要だけど。でも恐ろしいのは、今がダルのキャリアのピークではないだろうということ。この先どうなるのか想像もつかない。岩隈との防御率0点台の争いがまだまだ続くことを期待してます。こんなハイレベルな争い、なかなか見られるもんじゃない。

■今シーズンの観戦成績:5勝2敗