計算通り。
- アーティスト: DOPING PANDA
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 2008/03/12
- メディア: CD
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Furukawaという人は多分、数学的、理系的に音を構築していくタイプのミュージシャンなのではないかと思う。完成形を見据えて、そこに至るのに必要な要素を足したり引いたり掛け合わせたりして、一つ一つ納得の行く形に仕上げていくと言うか。打ち込みのダンサブルなビートも、その計算のために必要なのだろう。何が起こるかわからないバンドマジックよりも、自分の頭の中の計算を信じているのではないかとすら思う。決してこれは否定的な意味ではなく、これだけハイパーでサイバーチックなダンス・ミュージックをバンド形式でやろうと思ったらここまで突き詰めないと無理なんだろう、という尊敬の念すら覚えるのだ。基本的にはオタク気質のミュージシャンなのだと思う。ギターのカッティングもソロもいちいち上手いし、ベースもドラムも機械のビートに合わせることは当然で、そこから肉体的なグルーヴを力技で作り上げるようなしたたかさがある。サウンドの完成度は文句なし。
基本的に英語で書かれた詞は、歌詞カードにご丁寧に日本語訳もついているのだけど、はっきり言ってあまり意味のある内容ではない。日本語で歌われていたら逆に「で?」と言いたくなるようなものだ。サウンドでやりたいことは基本的に出し切ってしまっているのだと思うので、言葉はその邪魔をしなければいいくらいのものと割り切っているかのようだ。そんなんだったらインストでやれよ、と言う向きもあろうが、きちんと歌モノとしてポップスの土俵に乗せたいので言葉がないといけないのだ。こういう計算高さがいいと思う。音楽の機能性の高さに全部つながっている。(ちなみに全部個人的な想像なので事実かどうかは知りませんけど。)