無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

山本昌さん、おめでとう。


 CSで見ながら泣けてきた。立浪がいの一番でマウンドに走っていったのがたまらなく泣けた。昌さんの初勝利は1988年8月。この年は中日がセ・リーグ優勝したのだけど、夏場の投手が一番きつい時期にアメリカ留学から帰ってきて後半戦だけで5勝0敗2完封の昌さんの活躍が優勝の影の立役者になったのだった。このとき立浪はルーキーで新人王。落合監督は当時中日にトレードで来て2年目。この3人が20年後この偉業達成時にやはり同じユニフォームでいるということに不思議な縁を感じたりします。こういうときに完投させる落合監督のことは実はやっぱり嫌いじゃない。本当におめでとう、昌さん。個人的に巨人戦ということで喜びも倍増。しかも本拠地のナゴヤドーム。9回、1球ストライク取るだけで怒号のような歓声が響いていたのには素直に感動した。今日現地で見てた人がうらやましい。200勝達成して今年で引退という人もいるけど、今日の(前回のもだけど)投球を見ていたら全然そんなことない。あと数年できそうなくらいに思えた。


 これは僕の個人的な予想だけど、山本昌以降「日本球界だけで」200勝を達成する投手というのは出てこないのではないだろうか。2000本安打は今も出続けているし、この先も各チームで一時代を築く主力選手なら十分可能性のある数字だろう。しかし、200勝という記録は、投手分業制の確立した現代野球においては限りなく狭き門だと思う。現役の投手で山本昌の200勝に続くのは西武・西口の155勝。その下は横浜・三浦の121勝。どちらも少なくとも今のところ200勝など夢の数字(年齢的にも・・・)。そして何よりも、200勝を達成するくらいのペースで勝ち星をあげている投手がメジャーに行かず(引き抜かれず)に日本球界だけでキャリアを全うするなど今では考えられない。
 そういう意味でも、今日の山本昌の偉業達成は日本球界にとって後々非常に重要な意味を持つことになる歴史的な日だったのではないかという気がします。本当におめでとう昌さん。今年あれだけ大好きなラジコンを封印してまでこの日のためにがんばってきた甲斐がありましたね。ドラゴンズファンやってきて良かったです。

 ヒーローインタビュー↓