ポップ≒アート。
- アーティスト: フルカワミキ,FURUKAWA MIKI
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN
- 発売日: 2008/04/23
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 22回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
しかし、全体に感じるこの地味さは何だろう。アーティスティックな意味では良作だと思うのだけど、マスにアピールするキャッチーさという点では決定的にあと一歩欠けている。「B.B.W.」「La La La」などポップな曲はあるし、昨年のシングル「サイコアメリカ」のようにハードで耳を引く曲もある。でも全体に流れるムードは非常に気だるく、退廃的なヨーロピアン・ポップロックという印象。彼女の作るメロディーの多くがそういう雰囲気なのも大きな要因だろう(簡単に言えば、抑揚が少ない)。本人の意思なのだろうけど、個人的にはもう少しキラキラした部分があってもいいような気がする。彼女の声とこのサウンドの感触が完全にマッチしているか?という点でも若干の疑問は残る。
音楽だけでなく、さまざまなフィールドで活動している人だけども、音楽がその中でも大きな部分を占めていることには変わりないと思う。だからこそこういう極端とも言えるアプローチになっているとも思うし。ポップと芸術性というのは決して相反するものではないし、むしろ崇高な芸術というのは総じてポップなものじゃないかとすら個人的には思う(概念的な話ですが)。一人立ちしたアーティストでいたいという彼女の意思は強く感じるが、その中でちょっと遊び心を見せるくらいの心の余裕がほしい。