一発屋と呼ばないで。
- アーティスト: The Fratellis
- 出版社/メーカー: Cherry Tree
- 発売日: 2008/06/10
- メディア: CD
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前作でも思ったことだけど、全体のサウンドの感触としてこのバンドにはイギリス臭さが全くと言っていいほど無い。むしろそのあっけらかんとした大らかさや大陸的な広がりのあるアレンジはアメリカっぽい。カントリーっぽいギターのリフやノスタルジックなコーラスなど、南部のバンドのようだ。前情報が無く聞いたらアメリカのバンドだと思ってしまうだろう。そんなものどちらでもいいじゃないか、という人もいるだろうけど、実はこの個性こそがフラテリスの大きな武器なのではないかと思っている。時代感とかほとんど関係なしにグッドソングをグッドアレンジで聞かせてくれるという安心感が。
歌詞も、相変わらず自己憐憫や内省といったテーマとは無縁。正確に言うと、そういうテーマを扱うにしても第3者的に、様々なキャラクターの物語として書いている。客観的でドライな視点がレイモンド・カーヴァーの短編小説のような感じといったら言い過ぎか。そんなところにもアメリカっぽさを感じると、無理やりまとめてみたりする。いいバンドだと思います。