無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

ピースフルな地獄。

マキシマムザホルモン  爪爪爪“出張”裏ファイナルツアー 〜上原太デブちゃうやん!〜
■2009/04/20@Zepp Sapporo
 昨年秋のツアーファイナルが事情により延期してしまい、そのお詫びとしてなのか何なのか、ファイナル「公演」が「ツアー」になってしまったホルモン。今回のチケット発売は転売防止のためオンライン発売のみで、登録した名前がチケットに印刷され会場入り口で身分照会を行うというかなりがっちりと対策されたものだった。
 対バンのSLANG(音、無駄にでかかったなー)のあとおよそ20分ほどでホルモン登場。ものすごい歓声。ホルモンの客層って、サウンドのイメージからすると意外なほど女の子が多いのだけど、それでも地鳴りのような「ウォー」という声が会場に響く。「what's up people?!」から始まった途端、前方はモッシュの嵐。建前上「モッシュ・ダイブ・水撒きは禁止」ということになってはいるが、ほどほどに無視。ステージ上のメンバーもフロアもとにかくスキあらばヘッドバンギング。時々後ろの方からみんなが頭を振ってるのを見ていたのだけど、あまりにも不気味で異常な光景が繰り広げられていて笑った。この中の一員であることがバカバカしいやら誇らしいやら。
 ダイスケはんとナヲちゃんによるMCもいい塩梅にコテコテで的確に笑いを取っていく。音や歌詞がここまで過激かつエキセントリックでありながら、ホルモンのライヴは暴力的だったりギスギスした雰囲気になる瞬間がほとんど無い。それはこのMC含め、バンドの稀有なキャラクターによるものだろう。音が鳴っている間はとにかく休むことなく狂乱状態だったのだが、特に本編ラストの「爪爪爪」「シミ」「F」の流れはヤバかった。頭振りすぎてクラクラするし、すでに水もとっくに飲み干して喉乾くしで生き地獄。アンコールのラスト、「恋のメガラバ」の前には恒例のおまじないも決まり、テンション落ちることなく突っ走った。死にそうに疲れたし汗かいたけど、楽しい。フェス以外でホルモンのライヴをきちんと全編体験したのは初めてだったのだけど、これは彼らの曲を知ってるかとか関係なく誰でも楽しめる類のライヴだと思った。そういう部分も、彼らのライヴ人気の要因なのかもしれない。

■SET LIST(順自信なし)
1.what's up people?!
2.Kill all the 394
3.ロック番狂わせ
4.ミノレバ☆ロック
5.生理痛は神無月を凍らす気温。
6.糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィ
7.上原〜FUTOSHI〜
8.Mr. ブギータンブリンマン
9.絶望ビリー
10.ロッキン・アグリーモーション
11.爪爪爪
12.シミ
13.「F」
<アンコール>
14.包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ
15.人間エンピ
16.恋のメガラバ