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無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

侍アイドル。

トライアングル(通常盤)

トライアングル(通常盤)

 Perfume約1年2ヶ月ぶりの新作。オリコン1位獲得、武道館公演、紅白出場と飛ぶ鳥を落とす勢いだった昨年の彼女らだが、いまだその勢いは死んでいない。そしてバブル的に今の成功を謳歌しようというのではなく、むしろきちんと地に足のついた選択をして着実に今の地位を固めようという活動に見える。
 『GAME』をさらに発展させた売れ線のテクノ・ガール・ポップで固めても良さそうな所を、よりハードコアなクラブ・ミュージック路線でまとめた音。インストの比率もこれまでより高く、サウンドクリエイターとしての中田ヤスタカの色がより前面に出てきている印象を受ける。「SPEED OF SOUND」に顕著なように、彼女らのボーカルにかかるエフェクトも強くなっている。元々僕は3人の声がどれが誰だかよく分かっていないのだけど(ほら、オジサンだから)、その区別がさらに難しくなっている。それはつまりポップスとしての無記名性が強いということだ。テレビでの露出も多くなってきた彼女らの活動の中で、キャラクターの強い彼女らの素の姿に対しバランスを取ろうとしているかのようにも見える。音だけ聞いていても、また、バラエティ的に彼女らのトークを聞いていてもPerfumeの核心は見えてこない。それが融合するのが、ライブの場だ。その意味で、Perfumeは真のライブユニットと言えるのかもしれない。今更ながら。
 あ〜ちゃんが某音楽誌のインタビューの中で今作の匿名性が高いサウンドについて不満を漏らしていたが、歌手としてのプライドがその発言に繋がったのだろう。そういうところからも、いくらでも代わりの利くお飾り人形アイドルになるつもりはない、という意地が見える。ぬるま湯に漬かっているモラトリアムな若手バンドよりもよっぽどロックだと思う。