理系クンの書く音楽。
- アーティスト: ACIDMAN
- 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
- 発売日: 2009/07/29
- メディア: CD
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僕も大学は理系出身でありながらそんな専門的なことはわからないのだけど、数学とか物理というのは突き詰めると究極的には哲学的なところに行ってしまうもの、という気がしている。マクロに宇宙を見るとその中で自分の存在は何か、ということになるし、素粒子とかの話になると自分を形作るものは何か、ということになる。結局は自分自身の存在とその意味に向かい合うことになる。今のACIDMANのテーマはそういう感じで浮かび上がってきたものなのではないか、と勝手に想像している。
昔、僕はACIDMANの理系的に全てを論理的に整合取って音楽を配置するようなやり方に限界を感じたこともあったのだけど、今の彼らはもっと抽象的、感覚的に音楽を構築しているような気がする。『green chord』の頃からそういう感じが出てきたと思う。大木伸夫の中にある真理は基本的に変わっていないのだと思うけど、それを音楽として具象化する時の自由度が上がっていると思う。「HUM」の、簡潔な言葉で美しく真実を言い切ってしまう鮮やかさには思わず鳥肌が立ってしまった。