真のグローバルとは。
- アーティスト: Gorillaz
- 出版社/メーカー: Virgin Records Us
- 発売日: 2010/03/09
- メディア: CD
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昨年のブラーの再結成が、ある意味ブラーの終焉を意味するものでもあったので、デーモン・アルバーンの音楽のアウトプットとしては現在ゴリラズが唯一最大のものという形になっていると思う。マリに代表されるアフリカの民族音楽へのアプローチもそうだが、デーモンの多種多様な音楽的興味の全てが注がれているのがゴリラズというユニットである。本作のタイトルである「プラスティック・ビーチ」というのは「地球上のどの大陸、どの土地からも離れて浮かぶ、地球上で最も見放された島」のことらしく、ゴリラズのバンドメンバーがそこで演奏しているというのが今回のコンセプトのようだ。仮想のバンドが空想の場所を舞台に作ったアルバムなのだが、それが現実の世界を映す鏡になっているところが面白い。デーモンが狙ってやっているのだとしたら、やっぱり彼はすごい。
ボビー・ウーマックやスーパー・ファーリー・アニマルズのグリフ、ルー・リード、ミック・ジョーンズ&ポール・シムノン等々の豪華ゲストを前にしても煩雑な印象はなく、むしろ統一感すら覚えるのはこのコンセプトのおかげ。プラス、サウンドの軸はデーモンの声と彼の作るメロディーであることが大きい。どんなお題目を掲げようとその音はポップであることから決して逃げない。真のグローバル・ミュージックというのはこういうものではないのかな、とすら思う。