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無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

真のグローバルとは。

Plastic Beach

Plastic Beach

 ゴリラズ、約5年ぶりの3作目。ゴリラズと言えば2Dのアニメキャラが「顔」なわけだけど、本作の先行シングル「stylo」のPVを見たら3Dアニメになっていてブルース・ウィリスなどと共演していた。まあ、だからというわけではないが、今まで以上に豪華なゲスト陣が参加した贅沢なアルバムになっている。
 昨年のブラーの再結成が、ある意味ブラーの終焉を意味するものでもあったので、デーモン・アルバーンの音楽のアウトプットとしては現在ゴリラズが唯一最大のものという形になっていると思う。マリに代表されるアフリカの民族音楽へのアプローチもそうだが、デーモンの多種多様な音楽的興味の全てが注がれているのがゴリラズというユニットである。本作のタイトルである「プラスティック・ビーチ」というのは「地球上のどの大陸、どの土地からも離れて浮かぶ、地球上で最も見放された島」のことらしく、ゴリラズのバンドメンバーがそこで演奏しているというのが今回のコンセプトのようだ。仮想のバンドが空想の場所を舞台に作ったアルバムなのだが、それが現実の世界を映す鏡になっているところが面白い。デーモンが狙ってやっているのだとしたら、やっぱり彼はすごい。
 ボビー・ウーマックスーパー・ファーリー・アニマルズのグリフ、ルー・リード、ミック・ジョーンズ&ポール・シムノン等々の豪華ゲストを前にしても煩雑な印象はなく、むしろ統一感すら覚えるのはこのコンセプトのおかげ。プラス、サウンドの軸はデーモンの声と彼の作るメロディーであることが大きい。どんなお題目を掲げようとその音はポップであることから決して逃げない。真のグローバル・ミュージックというのはこういうものではないのかな、とすら思う。