無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

JOIN ALIVE感想〜1日目(1)

■2010/07/17@いわみざわ公園
 今年新たに誕生した北海道の夏フェス、JOIN ALIVE。Mount Aliveというプロモーター会社が主催している。そのMount Aliveの代表は元WESSでライジングサン・ロック・フェスティバル(以下RSR)のプロデューサーでもあった山本博之氏。というわけでいやでもRSRと比較したくなってしまうし、WESSとMount Aliveの間にはいろいろと不穏な噂もあったりする。まあ、そういうことは基本参加者には関係ない話なのでおいといて、第1回目のフェスがどんなモンか、気軽な気持ちで出発した。RSRではテントでの宿泊になるので荷物も大掛かりになるが、今回は札幌から日帰りでの参加なので荷物は着替えや替えタオルなどを入れたリュックのみ。こんな気楽にフェスに参加するの、いつ以来だろうか。
 会場のいわみざわ公園までは札幌から高速に乗って車で約30〜40分。僕が着いたのは既に開場した後だが、駐車場に入る列がちょっと混んだくらいで、出発してから1時間弱で車を止めることができた。チケットとリストバンドを交換し、会場に入る。HTBのブースやローソンなどが道の両脇にあるが、道自体は決して広くない。ビールを飲みながらブラブラとメインステージである野外音楽堂の方へと移動。ここがローズステージ。ステージの前に一段低くなったスペースがあり、スタンディングゾーンになっている。通路を挟んで芝生がすり鉢状に広がっており、ここがレジャーゾーンとなっている。空間的にはかなり広く、メインステージとしての収容能力は十分という感じ。

 と、ここで、毎年RSRでご一緒するnyo さんご夫妻に声をかけられる。レジャーゾーンの一番後ろの木陰に場所をとったというので移動し、しばし談笑。一番後ろまで行くとかなり丘を登るので、それなりに疲れる。ただ、レジャーゾーンがすり鉢状になっているので後ろの方からでもステージはちゃんと見える。向かって左側には一応モニタースクリーンもあるが、ちょっと小さめ。開演の時間が近くなったのでスタンディングに降りてみる。周囲を壁に囲まれた形になっているので若干閉塞感はあるが、広さは十分。スキマスイッチ待ちの人が結構いるが、半分くらい埋まっている程度。この日はかなり天気がよく、午前中ですでにだいぶ(北海道にしては)暑くなってきた。最初にステージに登場したのは山本代表で、まずはフェス開催にあたっての挨拶。スキマスイッチを紹介し、いよいよフェスがスタートした。

正直スキマスイッチにあまり興味がないので僕は2、3曲聞いたところで移動。ベルベット・サーカスというステージは公園内の遊園地にあり、サーカス用のテントを利用して作られたステージだという。ローズステージ脇から遊園地入り口までは山の方を歩く通路が整備されているのだけど、ぶっちゃけ駐車場を突っ切った方が直線移動なので早かった。遊園地はリストバンドで入場でき、フェス参加者用にアトラクション回数券の割引きもあった。遊園地の端にテントは位置している。混雑状況にもよるが、メインステージからここまで大体10分くらいだろうか。ベルベット・サーカスはステージ前にスタンディングのエリアがあり、その後ろに階段状の客席が半円状に設置されている。テント内は黒カーテンで明りが遮断されており、昼間でもかなり暗い。ステージ後ろには名前の通りベルベットの赤いカーテンがあってなかなか怪しい雰囲気。
 黒猫チェルシーは音源をまともに聞いたことがなくて、ライブも初めてだったのだけど、結構気になっていたバンド。ボーカルが学生服着てのパフォーマンスは若いなーと感じつつも、どこかロックの持つエロさみたいなものを感じさせる。演奏も決して上手くはないのだけど、猥雑さがあって単純にカッコいい。ロックって、やっぱ隣の兄ちゃんがやってて安心するものではなくて、「これ聞いてることをちょっと親には言えない」的な、ヤバいものであってほしいという面があるんだけど、彼らはそういうところに応えてくれそうなバンドだと思った。

 メインステージ方面に戻り、食事。飲食エリアは基本、ローズステージ横のエリアのみで、あとは遊園地内に売店がある程度。広さ的にも店の数的にも、正直ちょっと物足りない。北海道の地元名産的な店が多く、それ自体は問題ないのだけど、その分フェスと言えばこれ的な定番の店がなかったのは残念(例えば、タイラーメンとか、ケバブとか)。あとこの辺で気づいたのが、フェスでは必ず見かける簡易トイレがない。要は、公園に元から設置されているトイレのみ。衛生的には簡易トイレよりもいいし、運営側も楽だろうけども、参加者数から見て適切な数のトイレが確保されていたのかどうかは疑問。男に関しては問題なかったと思うけど、女性はどうだったのかしら。RSRの、ひとつまたひとつとトイレが減っていくサバイバル状態を知っている身としてはどうしても気になってしまう。
 レジャーサイトでのんびり山崎まさよしを見る。あいかわらず歌もギターも上手い。ブルース寄りの演奏が多かったのでちょっと地味だったかもしれないけど、リラックスして見た。その後、フューチャーフラワーズという、3つ目のステージに移動。ここはローズズテージのほぼ真裏に位置していて、音が混ざってしまうため物理的に同時に演奏することができない。なので、タイムテーブル的に、片方がセットチェンジの間にもう片方が演奏、という配慮がなされていた。移動もすぐなので、がんばれば両方のステージを交互に見ることも可能といえば可能(疲れるだろうけど)。
 lego big morlをちょっとだけ見る。全然聞いたことがなくて、なんとなくシューゲイザーっぽい音を想像していたんだけど意外とダンサブルで陽性のサウンドだった。ギターのカッティングが気持ちいい。ベースが左利きってとこも、ビジュアル的に良かった。スタンディングに移動して、THE BAWDIES。いやー、暑かった。日差しが最も強い時間帯だったのだけど、それ以上にステージも熱かった。最新作から「HOT DOG」や「IT'S TOO LATE」、「I WANT TO THANK YOU」など、硬軟織り交ぜてのステージ。MCや客の煽りも堂々としたもの。生で聞いたのは初めてだけど、あの声はやはり印象的。スタイルでR&Bをやってるのではなく、ちゃんとリズムが黒っぽいところも好感が持てる。この時間でかなり日焼けしたと思われる。
 小腹が空いたので串とかつまみながらレジャーサイトでまったり。SuperflyはBGM。そういや、会場に同じようなヘアバンド?紐みたいなの頭に巻いた女性が結構いたんだけど、全部Superflyのファンだったんだろうなあ。続いてフューチャーフラワーズでOKAMOTO'Sを見る。これも初めて。いかに最近の若いバンドを聞いてないかってのがバレバレですね。とりあえず演奏はハチャメチャで、パワーと勢いだけはあるという感じ。で、とにかくベースが上手い。ドシャドシャな演奏の中、ものすごく細かくて複雑なフレーズを微動だにせずに弾き倒している。おかっぱ頭でヒゲ生やした風貌はぴんから兄弟の宮史郎みたいなんだけど、ずっと気になってベースばっかり見てた。何者だろう、と思ったら、後で聞くとダウンタウン浜ちゃんの息子だと言う。びっくり。まあ、言われてみるとタラコ唇に面影がなくもない。ラストがルースターズのカバー「恋をしようよ」だった以外は、ベースしか覚えてません。あ、ドラムがなんとなく野沢直子っぽいと思ったんだけど、こいつもプライベーツのvo延原の息子なのか!へぇー。