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無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

宮本は「みんなかわいいぜ」と言った。

エレファントカシマシ CONCERT TOUR 2011 “悪魔のささやき〜そして、心に火を灯す旅〜”
■2011/05/27@札幌市民ホール
 大阪2日目に続きツアー参加2公演目。バンドの状態が非常にいいのはわかっているので、大阪よりも小さい会場での熱気がどのようなものかと、旧曲のセットリスト違いがどの程度のものかに注目していた。この日はキーボードが蔦谷氏ではなくSUNNY氏。スケジュールの都合で、2名のうちどちらかが参加しているのだろう。両方見れてラッキーだったかも。
 新作の曲の並びは変わらず、1曲目は「moonlight magic」。宮本のアコースティックギター弾き語りからバンドの演奏が入ってくる時のカッコ良さたるや。この一瞬を聞いただけで、バンドの充実ぶりが伺えるというものだ。2曲目は「DEAD OR ALIVE」。懐かしい。『good morning』の後、エレカシがバンドアンサンブルに回帰しようとしたのが『DEAD OR ALIVE』というミニアルバムだったわけで、実はこの10年のエレカシの歩みを振り返った場合非常に重要な意味を持つ作品だった。こういう曲に今もう一度スポットを当てる意図を考えると、この充実の中からもう一歩先に進もうという意思が見えてくる気がする。「悲しみの果て」はセットから外れず、同じ位置で演奏。宮本は「みんなに捧げます」と言って演奏に入ったが、この曲はもう完全にエレカシの、宮本の手を離れて「みんなのうた」になったのかもしれない。それは素晴らしいことだと思う。「歩く男」はやはり序盤のクライマックスと言っていい盛り上がり。イントロの石君と宮本のギターハモが最高にカッコいい。「旅」では石君、ヒラマミキオ、宮本と三者三様のギターソロが聞ける。宮本が自分で弾くときに「ギター、オレ!」と言うのが何ともほほえましい。中盤の旧曲セットは「戦う男」からおなじみ「珍奇男」、そして「さらば青春」。改めて聞くと、「さらば青春」は本当にいい曲だ。これがカップリングだったのだから、1996〜97年の宮本のソングライティングがいかに素晴らしかったかがわかるというものだ。
 本編では結局「悲しみの果て」と「珍奇男」以外は大阪の時とは総とっかえだった。大阪1日目に行った人のブログによると、また全然違う選曲だったらしい。ということは少なくとも3種類以上のセットがこのツアーにはあるということだ。まさか毎回変えているわけではないだろうが、それでもこれだけの曲をやるのは相当大変なはず。しかも驚くべき事に(というかこれが普通なのかもしれないが)どんなに古い曲をやっても宮本は歌詞が飛んだりすることがないのだ。少なくとも僕が見た2日間では。もしかしたら、今回のツアーはエレカシ史上でも屈指のものになっているのかもしれない。そのくらいの完成度だと思う。「赤き空よ!」以降のパートも、本編ラストの「悪魔メフィスト」まで緊張感が途切れることはない。観客も声を上げ、拳を上げ、クライマックスを盛り上げる。やはりこのくらいのサイズのハコか、ライブハウスがいいと思う。
 アンコールは「すごくいい曲を発見しました」というMCから「夢のかけら」でスタート。今回のツアー、最近のライヴではあまりやっていない曲をやることが多いようだが、バンドも結構楽しんでいるのではないだろうか。「以外といい曲書いて来てるじゃないかオレたち」的な感じで。『ココロに花を』から「赤い薔薇」へ続き、最近のアルバムから2曲を挟み、おなじみの「ファイティングマン」へ。ダブルアンコールは「ガストロンジャー」のみだったが、最後まで楽しませ、盛り上げ、客もそれに応えるという、いいライヴだった。終演後、帰途につく観客が口々に「すごい」と言っていたのが全てを物語っている。バンドの状態、宮本のテンション、演奏の質、トータルでの完成度、どれをとっても今のエレカシは見る価値がある。その事実がただただうれしい。

1.moonlight magic
2.DEAD OR ALIVE
3.脱コミュニケーション
4.悲しみの果て
5.彼女は買い物の帰り道
6.歩く男
7.九月の雨
8.旅
9.いつか見た夢を
10.戦う男
11.珍奇男
12.さらば青春
13.明日への記憶
14.赤き空よ!
15.夜の道
16.幸せよ、この指にとまれ
17.朝
18.悪魔メフィスト
<アンコール1>
19.夢のかけら
20.赤い薔薇
21.笑顔の未来へ
22.FLYER
23.ファイティングマン
<アンコール2>
24.ガストロンジャー