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無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

大人の遊び場。

UNICORN  ユニコーンツアー2011 「ユニコーンがやって来るZZZ...」
■2011/07/07@大阪国際会議場メインホール
 前回の再結成ツアーは、あまりにも神格化されすぎてしまったユニコーンの名前がデカすぎてのチケット代争奪戦となったわけだが、今回のツアーはそこまで行かないだろう、もう落ち着くだろう、とタカをくくっていたところがあった。とんでもない、前回と同じか、それ以上の争奪戦になったのだった。正直、甘く見ていた。つまりは、前回初めてユニコーンというバンドを知った若いロックファンも、きちんとユニコーンのファンとなってこのツアーを待っていたと言うことだろう。それだけ、この再結成は成功だったということだ。オッサンがノスタルジーでやっているだけではないのだ、ということがきちんと伝わったのだと思う。
 それは勿論バンド側にも言えることで、いろいろな面で前回のツアーよりも遊びがあるし、ユルいし、また逆にお金がかかっていて凝っている部分もある。まず、ステージのスクリーンに映像が映し出される。今回のコンセプトの「海賊」をモチーフにしたものだ。一人一人メンバーが紹介され、海賊船を模したステージセットの扉から登場してくる。『Z』中屈指の名曲でもある「ライジングボール」からライブはスタート。この曲はもっと後半のクライマックスで来ると思っていたのでちょっと意外。先に札幌のライブを見た奥さんがしきりに「MVPはテッシー!」と言っていたのだけど、その理由は「手島いさむ物語」で一気に理解できた。こんなことまでやるのかー。まだツアーは続いているのでネタバレはしないけど、まあ、ウケるよねこれは確かに。飛ぶかー・・・(あ、言っちゃった)。しかもライブ中何度もだしね。途中になるともう観客もリアクション薄くなってきたりするし。でもまあ、確かにテッシーは頑張ってた。解散前のレパートリーで一番驚いたのはやはり「Maybe Blue」。イントロのピアノが鳴り出した瞬間のどよめきと歓声と悲鳴は、頭から離れない。この曲最後にライブでやったのっていつなんだろう。ユニコーン黒歴史と言ってしまっても差し付けないほどの若気の至り。まさか40半ばの奥田民生が「Maybe Blue」とは。「シンデレラ・アカデミー」も懐かしい。『BOOM』『Panic Attack』という、80年代ビート・ロック期の曲が聞けたのは嬉しい誤算だった。『シャンブル』からの曲は「WAO!」と「HELLO」のみだったが、やはり「HELLO」はいい曲だ。これ、今の民生は清志郎に向けて歌ってるような気がする。その他は『Z』と、昔の曲からなるセットだが、悉くセレクトが地味目。いわゆる代表曲はほとんど無し。「大迷惑」も「働く男」も「スターな男」も「ヒゲとボイン」も「すばらしい日々」も無し。他の会場でもそこは変わらないようなので、このツアーはそういう狙いなのだろう。逆に夏フェスでは大ヒット曲メドレーになるような気がしてしょうがない。
 とは言いつつ、終わってみて物足りないという感じは不思議となかった。ユニコーンというバンドの魅力はヒット曲ではなく、ステージ上の彼らの佇まいや、ムダとしか思えない(それでいて絶対必要な)阿部のワンマンショーや、本編とは関係ない「遊び」の部分にこそあるからだと思う。寸止め感満載でありながらきっちりイカせる、円熟の大人の遊びが堪能できたライブだった。いい年したオッサン連中が本気で遊んでいる姿はやっぱりカッコいい。

1.ライジングボール
2.頼みたいぜ
3.ハヴァナイスデー
4.手島いさむ物語
5.WAO!
6.Maybe Blue
7.シンデレラ・アカデミー
8.AGONY
9.いかんともしがたい男
10.ニッポンに行くの巻
11.ウルトラヘブンスーパーマイルド
12.パパは金持ち
13.君達は天使
14.ブルース(rap version)
15.さらばビッチ
16.HELLO
17.オレンジジュース
18.Z LIFE
19.車も電話もないけれど
20.デジタルスープ
<アンコール1>
21.オールウェイズ(テッシー弾き語り)
22.SAMURAI 5
<アンコール2>
23.裸の太陽