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無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

永遠の「へぽたいやー」

■2011 岡村靖幸 LIVE 「エチケット」
■2011/09/16@Zepp Osaka
 ついに。ついに、このときがやってきた。岡村ちゃん復活ライブツアー。音源こそセルフカバーの『エチケット』×2枚で、いまだ新曲は聞けていないが、それでも満を持しての復活と言わせてもらいたい。『エチケット』のジャケット写真や、公式HPの動画で確認できる限り、今の岡村ちゃんは痩せている。少なくとも、前回(2004年)の復活の時よりも痩せている。あの時のRSRやツアーで見た岡村ちゃんはダンスのキレこそあったが、その腹の太さや顔の大きさは「動ける葉加瀬太郎」以外の何者でもなかった。その時よりは全盛期に近いシルエットが見られるのではないかと思っていた。
 当日。胸がはちきれんばかりの期待をもってZepp Osakaに到着。同じような想いを抱えている30〜40代の男女が大勢集まっている。もちろん、若い子もいる。いずれにしろ、生岡村ちゃんを目撃できる興奮を抑えきれないのがありありとわかる。勿論、僕もその中の一人であったわけだ。ステージには薄い白のカーテンがかかっており、ピーチマークが透けて見えている。この勿体ぶった感もまた岡村ちゃんぽくて、いい。バンドが登場する。メンバーは、『エチケット』にクレジットされていたミュージシャン達のようだ。バンドの演奏が始まり、興奮もひとしきりというところで、いよいよ岡村ちゃんの登場。大き目のスーツに身を包み、やはりスリムになったシルエットでキレキレのダンスを魅せる。「どぉなっちゃってんだよ」でライヴはスタート。声も、思ったよりは出ているような印象を受けた。というかそういうことよりも、岡村ちゃんがまた目の前で踊って歌っていること自体にとにかく感激していた。2曲目に、いきなりの「カルアミルク」。ここで早くも涙腺決壊した女子たちもいたことだろう。そして、男女問わず、全曲全パート歌詞覚えてる率がハンパない。サビはもちろんのこと、それ以外のフレーズも大合唱が途切れることがない。それは勿論、昨日今日覚えましたと言うものではなく、彼ら彼女らの人生に、青春に岡村ちゃんの曲が密着していたと言うことの証である。『エチケット』で生まれ変わった曲はそのアレンジで、それ以外の曲は若干の変更はあるが、基本オリジナルに準じたアレンジで演奏される。イントロが流れた瞬間にどの曲も大歓声で迎えられる。自分もその中にいるのだけど、この観客の反応がまた嬉しいのである。
 「Co'mon」の後、バンドメンバーそれぞれのソロパートになる。岡村ちゃんは一旦引っ込んでしばしの休憩。ステージに戻った岡村ちゃんはセットの端にちょこんと座って、かわいいことこの上ない。MCはキーボード、パーカッション、マニピュレーターと何でも屋をこなすバンマスが担当。岡村ちゃんは歌以外で言葉を発することはない。大観衆の前でパフォーマンスするということに対し岡村ちゃんが今どういう思いを抱いているのかはわからないが、このやり方が今の彼なりのバランスの取り方なのだろう。このシャイボーイっぷりがやはり岡村ちゃんだと思う。後半も名曲オンパレードで復活を印象付ける。「イケナイコトカイ」「いじわる」では股間ビショ濡れのセクシーパフォーマンスを見せ、「19」、「ロングシュート」の胸キュンポップスはいまだにその輝きを失っていない。本編ラストは「だいすき」エチケットヴァージョン。会場が一体となっての「だいすき」大合唱、そして「へぽたいや」コール。これだよこれ。これがないと岡村ちゃんのライヴじゃない。この時会場全体を包んでいた幸福感はちょっとすごすぎて例えようのないものだった。まさにオーガズムの瞬間である。
 アンコールは「DATE」「祈りの季節」でしっとりと聞かせた後、「マシュマロハネムーン〜セックス」のファンキー攻撃でもう一度臨界点を超える。当然、拍手と歓声は鳴り止むわけもなく、2度目のアンコール。ステージ端にエレピがセッティングされた瞬間にどよめきと歓声が沸き上がる。弾き語りコーナーの始まり。即興の大阪ソングに続き、「ジョージア・オン・マイ・マインド」や渡辺美里の「Lovin' You」、まさかの「卒業写真」などが次々と歌われる。「友人のふり」をここでもって来るなんて、やってくれるぜ岡村ちゃん!としか言いようがない。「ちゃうちゃうベイベ」というのは曲の感じから僕が勝手につけたタイトルです。ラストのMCを挟み、最後に演奏されたのはデビュー曲「Out of Blue」。紆余曲折、そして長い回り道の末に、また岡村ちゃんはここに帰ってきた。そして、待った甲斐がある、と大声で言いたくなるくらいのパフォーマンスだった。とにかく今は彼の最前線復帰を心から祝福したい。失われた時間を取り戻すように、徐々にまたここから僕らと岡村ちゃんの距離を縮めていこう。青春は終わらないのだ。

1.どぉなっちゃんてんだよ
2.カルアミルク
3.ア・チ・チ・チ
4.Vegetable〜聖書
5.Punch↑
6.Co'mon
7.(バンドメンバーソロ)
8.イケナイコトカイ
9.19
10.いじわる
11.モンシロ
12.あの娘僕がロングシュート決めたらどんな顔するだろう
13.だいすき
<アンコール1>
14.DATE
15.祈りの季節
16.マシュマロハネムーン〜セックス
<アンコール2>
17.大阪ベイベ
18.ジョージア・オン・マイ・マインド〜Lovin' You〜卒業写真
19.友人のふり
20.ちゃうちゃうベイベ
21.どうかしてるよ
22.Out of Blue

エチケット(パープルジャケット)

エチケット(パープルジャケット)

エチケット(ピンクジャケット)

エチケット(ピンクジャケット)