終わりの始まり。
- アーティスト: ザ・ストロークス
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2011/04/06
- メディア: CD
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極端な話、それ以降のストロークスの活動は「ストロークスがストロークスであるための理由」探しだったのではないか。音楽的なものから人間関係まで、様々な問題があったと推測するが、その中でバンドとして活動するのはなぜか。答えがあるかどうかも分からないそんな問いへの悪戦苦闘がこの5年間であり、そしてこのアルバムなのではないかという気がする。本作のレコーディングはこれまでジュリアンが全ての曲を書いていたやり方から脱却し、ジュリアン以外の4人で曲を書き、レコーディングを行い、ジュリアンはボーカル入れのとき以外には殆ど参加していないと言う。つまり、これまでのバンド力学を根本からひっくり返している。逆に言えばそこまでやらなければならないほど追い詰められていたということだと思う。
レゲエやボサノヴァ、果てはカーズか?と思うほど80年代的なニューウェーブ感もあり、音楽的にはこれまでのストロークスからかなり離れた部分も多い。シンプルなギターとジュリアンの声がかろうじてストロークスとしての体裁を整えている。面白い音楽だとは思うが、これをやるのであればストロークスである必要があるのだろうかと思ってしまうのも事実。サマソニのステージは好評だったようだけど、複雑な気持ちではある。本人たちにしてみれば今はこういうやり方でしかできないということなんだろうけれど。果たして2011年のロックはストロークスを必要としているのだろうか。ホワイト・ストライプスも解散してしまった今、そんなことを思わずにはいられない。