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無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

RSR'12感想(3)〜世界でいちばん熱い夏。

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2012 in EZO
■2012/08/10-11@石狩湾新港
 布団でぐっすり眠ったら、9時過ぎていた。テントだと7時くらいには蒸し風呂状態で目が覚めてしまうところ。この日も、雲はあっても雨の心配はなさそうな天気。陽がさすと相当暑い、フェス日和。マジで前日までのあの予報は何だったんだろう。のんびり用意をして出発。というわけで今年は祭太郎のラジオ体操には間に合わなかった。

 テントにつくと既に活動開始している人、いまだ眠っている人様々。人生いろいろ。朝飯はこれと決めているニセコピザのベーコンエッグロールに並ぶも、すでに売り切れていた。残念。看板娘(と言ってもママらしい)カオルコさん曰く、「来年のフジに来てください」とのこと(笑)。代わりにマルゲリータピザをいただき、ビールで一気に流し込みゲップでみんなにセイハロー。実に穏やかにフェス2日目は始まった。というか、いつも思うのだけど、この午前中の時間、長い。バッジガチャガチャしたりいろんなブース見て回ったりして時間をつぶす。じゃなきゃ飲んでる。
 12時を過ぎたあたりでサンステージスタンディングエリアの最前方に位置どる。やはり80年代リアルタイマーとして赤坂小町、もといプリンセスプリンセスは見ておかなければいけないでしょう。ワンマンはないけど、何回か夏のイベントで見たことあったんだよな。まさか2012年になって彼女らのステージを見ることができるとは。登場した彼女らの姿を見てびっくり。岸谷(奥井)香は超スリムですらっとした足を大胆に出した衣装。ギターの中山加奈子は当時そのままのメタル系メイクで、髪の毛のワイルドさもそのまま。キーボードの今野登茂子も美形とスタイルを維持している。富田京子渡辺敦子のリズム隊が若干、年齢を感じさせはするが、ガールズバンドとしての佇まいは思ったよりも衰えていなかった。若い時から変わらない、キャピキャピ無理して元気でいる感じ(ほめてるつもりです)が「ああ、プリプリだ」と思わせるものだった。初っ端からいきなりの「ダイヤモンド」、そして「世界で一番熱い夏」、「OH YEAH!」と、往年のヒット曲を惜しげもなく繰り出していく。奥井香のボーカルは若干苦しそうだったけど、キーはそのままだし十分にパワフル。「M」の時には周囲のアラサー/アラフォー女子が一斉にタオルで顔を覆いだした。20年を経てなお破壊力抜群のバラード。プリプリは現役時代まだ夏フェスというものがなかったので、この再結成で夏フェス初体験ということになる。「こんな気持ちのいい場所があったなんて知らなかった。再結成して良かった。」と何度も言っていた。人前に出て演奏するレベルになるために猛練習した」という演奏は、ぶっちゃけ大したことはない。今のバンドの耳基準で聞くと演奏も音も薄いなと思ってしまうのは仕方がないことだろう。と言っても元々プリプリの演奏力が高いわけでもないので、かつてのレベルには十分達していると思った。そもそも音楽的に何かを成し遂げるために再結成したわけではないし(彼女らの再結成の理由は東日本大震災への支援活動)、それでも聞く者を引き付ける曲の良さ、ポップさはさすがだなと思いながら懐かしく聞かせていただいた。「この曲はシングルじゃなくてアルバムの曲なんだけど、当時からファンのみんなにはすごく人気があってライブでもよくやってた曲で…」など、プリプリを知らない観客のために丁寧に解説をする奥井香が妙にかわいくて仕方がなかった。

プリンセスプリンセス SET LIST
1.Diamonds
2.世界で一番熱い夏
3.OH YEAH!
4.HIGHWAY STAR
5.友達のまま
6.M
7.SEVEN YEARS AFTER
8.GET CRAZY!
9.パイロットになりたくて
10.19 GROWING UP

 レッドスターに移動してフォロワーさん数名と遭遇。ご飯食べたり飲んだり一服しながらまったりとアンジェラ・アキを見る。この時間帯、太陽ギラギラでものすごく暑かった。アンジェラ・アキは初めて生で聞いたのだけど、ものすごく歌がうまい。発声とか声の良さはもちろんなんだけど、フレーズの伸び縮み、最後まで歌いきる丁寧さとかがすごく繊細。これは説得力あるわと思いながら聞いていた。ピアノマンとして彼女がリスペクトしているというベン・フォールズのカバーが良かった。すごく誠実な演奏。そしてイントロで「レッチリ?」と驚いたら本当にレッチリの「GIVE IT AWAY」をカバーした。こんな曲もやるとは知らなかったのでびっくり。バックの演奏が完コピだったのもすごい。そして、アンジェラ・アキを見るならこれだけは確かめたかったのが曲中のMC。果たして細かすぎて伝わらないモノマネの通りなのか。結果、その通りだった。長い。くどい。そして本人もそれを自覚しているようで自虐ネタにしていた。これが確認できただけで見た甲斐はありました。素晴らしいアーティストです。

 いちごけずり。すでにライジング名物、道民の心のスイーツと化している一品だが、年々その人気は高まり、店には長蛇の列が出来上がっている。今年は日中の暑さも手伝ってすごいことになっていた(写真↑)。僕が並んだ時で約30分待ち。人気が出るのは結構だけど、ここまで待つのはちょっとなあ…と思った。美味しいんだけどさ。
 サンステージにてアジカン。「迷子犬〜」から始まったセットは新曲も含むオールタイムベストの様相。「今日はできるだけ皆の聞きたい曲をたくさんやって帰ります」と、いつものように無愛想ながらゴッチはサービス精神のあるセットを宣言した。昨年の大震災以降、ゴッチは様々なメディアを通して原発の事、復興支援の事、ポリティカルなメッセージを発信してきた。端から見てそれは、ミュージシャンという枠を超えて、今日本に生きる一個の人間としてこれを考えなくてはならない、発信しなくてはならない、という義務感、焦燥感すら感じるものだった。当然、そうした活動に対する風当たりも強かっただろうし、それはいまだに続いていると思う。そういう諸々を経ての「皆が聞きたい曲やります」なのだとしたら、それは素敵なことだなあと思った。ミュージシャンとして、人間として、一つ大きくなったということだと思うからだ。来月出るという新作も楽しみにしたい。ただ、これだけサービス精神満点のセットでありながら、振り返ってみると実はあまり強く印象に残っていなかったりもする。それがアジカンの良さであり、弱点でもあると思う。

ASIAN KUNG-FU GENERATION SET LIST
1.迷子犬と雨のビート
2.君の街まで
3.ループ&ループ
4.リライト
5.夜を超えて
6.それでは、また明日
7.アフターダーク
8.ソラニン
9.アンダースタンド
10.君という花
11.マーチングバンド


 レインボーシャングリラに移動し、フィッシュマンズ。結構ギリギリに行ったのだけど、すごい人の数。何とかテントには入れたけれどもPAのほぼ横で、かなり後ろ。レインボーシャングリラはテント横にモニターがあるとはいえ、規制かかるんじゃないかと思うくらいぎちぎちだった。サウンドチェック時にメンバーが出てきて実際に演奏していたのだけど、あまりにも本気モードでそのまま本番始まるんじゃないかと思う勢いだった。フィッシュマンズとしてのRSR出演は2005年以来7年ぶり。今回はボーカルに原田郁子を招き、欣ちゃんとのダブルボーカル体制での編成。で、これが実に良かった。昨年の野音を見た人たちからは否定的な感想も聞いていたのだけど、少なくともこの夜聞いた限りでは僕の知っているフィッシュマンズの音になっていたと思う。序盤は若干小暮晋也氏のギターがうるさく感じられる部分もあったのだけど、後半に行くにつれて全体のバランスはよくなっていった。柏原譲のベースはいつ聞いてもトリップ感満載で、特に「WALKING IN THE RHYTHM」や「WEATHER REPORT」などでは気持ちよすぎて寝てしまいそうだった。かつてを懐かしむ感覚ではなく、圧倒的に「今」を感じさせる音で、おそらくこれは本人たちも意識していたのではないだろうか。欣ちゃんは「佐藤君が残した曲を僕たちが演奏しないといけないと思っている」ということを言っていた。受け継ぐ音。受け継がれるメロディー。そしてあの場にいた人の様々な思いが渦巻いて爆発したのが「感謝(驚)」だった。あの時の幸福感とテンションは、今思い出しても涙ぐむくらい感動的だった。

FISHMANS SET LIST
1.SEASON
2.気分
3.WALKING IN THE RHYTHM
4.頼りない天使
5.感謝(驚)
6.WEATHER REPORT
7.新しい人

 レッドスターを通りがかると、ちょうどSPECIAL OTHERSのステージが佳境だった。「AIMS」の盛り上がりを横目に一服。最後にアジカン後藤がゲストで登場してコラボ曲をやっていた。ここで前夜祭で知り合ったフォロワーさんからレッドスターカフェでピーズがアコースティックライブをやるらしいという話を聞いて盛り上がる。こうして楽しく予定が狂っていくのもフェスの醍醐味だと思うのです。
2日目後半に続く。