ヒューマン・ネイチャー。
- アーティスト: 電気グルーヴ
- 出版社/メーカー: KRE
- 発売日: 2013/02/27
- メディア: CD
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ただ個人的にはこれは落ち着いたということではなく、自然体の結果なんじゃないかという気がする。「P」の後半の展開など、常軌を逸した狂気手前のパフォーマンスもあるが、それも含めて、本作での彼らは全く無理をしていない。無理してバカをやったり、カッコつけたりふざけたりしている場面が一切ない。電気だからこういう曲がないと、とかこういう歌詞がないと、という縛りから解き放たれている。20周年で一区切りついたからなのか年のせいなのかはわからないけれど、何をやったってどうせ電気グルーヴにしかならないのだから、という達観の境地すら感じる。今までだって無理していなかったと言う意見もあるかもしれないけれど、僕にはやはり少し違って聞こえるのだ。結果、サウンドも自分たちの奥にある「彼らが置いてこれなかったものすべて(All That They Can't Leave Behind)」で構成されていると思う。
もしかしたら彼らは『J-POP』の時もこういうアルバムを作りたかったのかもしれない。という気もする。そしてこのアルバムはものすごく自分には心地よく聞こえる。僕自身の音楽への入り口がここにある80年代風サウンドに近いからかもしれない。