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無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

アダルト・オリエンテッド・テクノ・ポップ。

META

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 高橋幸宏LEO今井テイ・トウワ権藤知彦、まりん、小山田圭吾というメンバーで結成されたMETAFIVEのファーストアルバム。改めて見ると、すごいメンバーだと思う。レコーディングはデータのやり取りで行い、各自持ち寄った曲をそれぞれがアレンジしたり音を入れたりして進めていったらしい。各メンバーが最終的に2曲ずつ責任持って仕上げるという形で、全12曲が収録されている。
 テイ・トウワのソロアルバムに収録された「Radio」の別ヴァージョンや、小山田圭吾がサウンドトラックを手がけた「攻殻機動隊ARISE」で使用された「Split Spirit」(この時は高橋幸宏×METAFIVE名義)と既出の曲もあるが、その他の新曲と比較するとこのバンドがどう発展・進化して行ったのか透けて見えるようで興味深い。サウンドは非常にソリッドでエッジの効いたダンスミュージックがベース。シンセをフィーチャーしたポップな味付けやメロウなミドルテンポの曲もあるが、基本的には1曲目「Don't Move」に象徴されるように非常にアッパーでアクティブな音だと思う。「新人バンド」のデビュー作としてはこのくらい勢いがあった方がいい。「Luv U Tokio」ではYMOのサンプリングもあったりして、遊び心も忘れない。
 これだけのメンバーが揃っていながらこのアルバムには所謂スーバーバンドにありがちなエゴのぶつかりや縄張り争いが見えない。ボーカルはLEO今井高橋幸宏が曲によって分担している。小山田圭吾YMOでのライブのようにほぼギタリストに徹している。各々が自分の持ち場でやるべきことをやり、他のメンバーの持ち味を尊重して引くべき所は引いているという印象。作詞についてはLEO今井が中心になっているが、それも得意な人間に任せたと言う感じなのだろう。全員がミュージシャンとして独立した人たちなので、自分の好きにやりたいことは自分主体の場所でやればいいという思いがあるのだと思う。すごく大人なバンドだと思う。それなのにサウンドが非常にスリリングで刺激的なものになっている。ニューウェーブを通過したコンテンポラリーなテクノ・ダンス・ポップ。非常に都会的でカッコイイ。元々一夜限りのユニットと考えてスタートしたプロジェクトがこうしてアルバムリリースにまで至ったと言うことは、各メンバーがこのバンドで音楽を作る意義を認めているということだろう。断続的にでもいいので、継続してほしい。


METAFIVE - Don’t Move -Studio Live Version-


METAFIVE - Luv U Tokio -Video Edit-