無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

ひがみと繊細。

関取花 バンドツアー ~あっちでどすこいこっちでどすこい~
■2018/08/14@札幌SPIRITUAL LOUNGE

関取花のライブは、数日前にライジングサンで弾き語りを見たのが初めて。その前からこのツアーのチケットは取っていたのだけど、その弾き語りの歌声が実に素晴らしくて、楽しみにしてました。関取花のことは以前から知っていて曲も聞いてたし、何より同じラジオリスナーとして彼女のことはずっと気になっていました。

で、ライブです。客入れのBGMは北海道出身のアーティストの曲で固めてました。GLAYYUKI玉置浩二松山千春等々。そして時間になり、「ファイターズ讃歌」とともにメンバー登場です。今回のツアーは行く先々でこうした演出をしてるのだそうで、ご当地ファンにはうれしい仕込みです。

6月にリリースしたアルバム『ただの思い出にならないように』から「蛍」でスタート。弾き語りと違い、バンドセットになるとやはり音のダイナミクスが違います。しかしその中心にいるのは間違いなく彼女のギターと歌。息の合ったメンバーとのやりとり(音も、MCも)もパーフェクトでした。

石狩で見た時にテレビや写真で見た時よりもかわいい!と思ったのですが、この1年くらいで10kgくらいやせたのだそうです。
確かに、以前の記憶ではもう少しふっくらしていた気が。新作『ただの思い出にならないように』のジャケットはほぼ正面からとった彼女の写真なのですが、やせた記念にこの姿を残しておこうということだったそうです。タイトルも、リバウンドしないように!という思いが込められているのでしょうね(笑)。

関取花と言えば「ひがみソング」の女王などと言われ、テレビにも取り上げられたりしました。本人的にもそれはそれで露出も増えて聞いてもらうきっかけにもなったので良かったのですが。しかし、逆にそれだけを期待されるというジレンマもあったそうです。そのためなかなか曲ができない時期もあったそうで、前作から少し間が開いたのはそんな理由もあったとのこと。新作にも「あの子はいいな」というひがみソングがありますが、関取花の曲の主人公は酒好きで、おおらかで、大雑把で、少しだらしないというキャラクターが多いです(本人の投影でしょうか)。しかしそれだけでは彼女の歌の世界は説明できません。もっと繊細な部分がなければこんな曲書けないだろうというのがたくさんあるわけです。

今回のライブの白眉は石狩の時にも話に出た融雪機(彼女は「雪溶かし機」と言ってましたが)のCMソング。正確には「モンスター」とぴう融雪機のCMでした。たまたま旅行でこのCMを見た関取花はずっとこのCMを覚えていたそうで、即興でファンキーなラップを披露し、会場大盛り上がりでした。北海道民でもある世代以上でないと記憶にないと思いますけどね(笑)。


全自動パワー融雪機モンスター

MCはいちいちうまいし、ちゃんと笑い取るし、歌もギターもうまいしかわいい。彼女の人柄がそのまま出たような歌声が本当にいいですね。バンドメンバーとの息もぴったりで、本当に癒されるようなライブでした。また北海道に来てくれるのをお待ちしております。

1.蛍
2.初恋
3.バイバイ
4.親知らず
5.石段のワルツ
6.動けない
7.あの子はいいな
8.また今日もダメでした
9.もしも僕に
(融雪機モンスターの歌)
10.しんきんガール
11.オールライト
12.だからベイビー
13.彗星
14.朝
<アンコール>
15.むすめ
16.黄金の海で逢えたなら
17.君の住む街

ただの思い出にならないように

ただの思い出にならないように


関取花 蛍